『劇場版 奥様は、取り扱い注意』綾瀬はるかに押し付けられた「ド天然」を裏切る
#綾瀬はるか #金曜ロードショー #しばりやトーマス
1985年から放送されている日本テレビの映画番組『金曜ロードショー』は地上波のプライムタイムでレギュラー放送されている唯一の番組である。
昔は各局に映画番組があり、筆者が映画を見始めたのは映画館ではなくテレビからだった。今では倫理上の問題やらなんやらでテレビでかかる映画はファミリー向け映画はほとんどだが、かつてはホラーや『エマニュエル夫人』のようなエロスものも堂々と放送していた。そうした作品を見て次の日の学校で「お前、昨日のアレ見たか?」と同級生らと盛り上がった。
今ではテレビで映画を見る人口自体が減り、そんな文化も失われつつある。このままではテレビで映画を見る文化が消え去ってしまう!この企画は最後の映画番組『金曜ロードショー』(毎週金曜 午後9時~、日本テレビ系)を応援すべく、今週放送される予定の映画をおススメしていくものです。
今週18日放送の作品は『劇場版 奥様は、取り扱い注意』。2017年に放送されたテレビドラマの劇場版でドラマ最終回のラストシーンからはじまる。おそらく最初から映画にすることが決まってたというわけでテレビの高評価に肖ってつくられたわけではないあたりに期待が高まる。
綾瀬はるか演じるヒロインは一見、普通の主婦に見えるがその正体は凄腕の特殊工作員で某国のスパイだった過去を持つ。血なまぐさい世界と縁を切るため死んだように見せかけ、日本に戻り合コンで知り合った西島秀俊に一目ぼれして結婚するが、彼の正体は綾瀬を監視する公安の人間だった。監視目的で近づいた彼も彼女に一目ぼれしてしまっていた…
と、いうハリウッド映画の『Mr.&Mrs. スミス』の翻案といったところで、日本のテレビドラマは昔からこういうのよくやってますね。野島伸司の『愛という名のもとに』(フジテレビ系)が『セント・エルモス・ファイヤー』のイメージを借りていたりとかね。
アンジェリーナ・ジョリーとブラッド・ピットのギラギラした2人に比べて。綾瀬はるかと西島秀俊はまだ爽やかそうに見えるってあたりが違うところかな。
記憶を失った綾瀬の治療のため地方の港町、珠海市に向かう二人。だが西島は公安の上司、小日向文世から珠海市でメタンハイドレートの発掘を巡る陰謀の調査が目的であった。「地方都市にお前みたいな奴がひとりでいると目立つから」ということで、夫婦で潜り込むことになるのだが、あんなさびれた港町に綾瀬と西島のカップルがいる方が余計目立つと思うんだけど……。
観光地として廃れる一方の珠海市では、メタンハイドレートの発掘で街を活性化させようとする推進派と環境保護を目的とした反対派が激しく争っており、暴力沙汰は日常茶飯事。ある日、反対派の事務所に暴走トラックが突っ込むのだが、綾瀬はその車に轢かれそうになる!
なるほど、ごく普通の主婦の綾瀬が超人的な身体能力で暴走車をかわし、それをきっかけに記憶が蘇るのだな……と思ってたら、綾瀬はただ歩いてギリギリのところを車が走り抜けていくだけ! いや、そうじゃないでしょ! 見てるこっちの期待を軽く裏切るシーンにのけぞりました。
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