新垣結衣、人気CMの集大成公開で涙…映画クオリティの超絶CM挑戦史

　実に8社もの広告契約を抱える新垣結衣。その中で業界関係者から評判なのが彼女がGMOクリック証券のCMだ。

　2015年から放送を開始した『Life is』シリーズ。「人生とは何か？」「自分とは誰か？」という根元的な問いの答えを新垣が求め、あらゆる場所を旅してきた。20年12月からは『Life is』シリーズの続編『New Life is …』篇の放送を開始している。

　実はこれまでこの『Life is 』シリーズは、ガッキーを主演に置きつつ様々な挑戦をしてきた。

www.youtube.com/watch?v=_02QL-O75vE

　例えば18年に公開された『Life is an Instinct.』篇では「本能のまま、 生きる」というテーマで彼女が無人の渋谷で本能のままに、 叫んで、 走って、 泣いて。 これまで見たことのない力強い姿を演じている。

「女優がCM内で涙を流すという表現は、非常に珍しい演出です。そもそも商品をコマーシャルする上で涙というネガティブなモチーフを使用するという企画が出ることがなく、本CMは広告担当者の気合いが感じられますね」（広告代理店関係者）

www.youtube.com/watch?v=LIEQ2iYt_xk

　また19年に公開された『Life is Friendship.』篇では「人生における友人の大切さ」をテーマに、仲の良い友人と一緒に、山奥のキャンプ場で過ごしている。本CMでは、彼女の本当の友人が撮影されており、作り込まれた演技ではない、リラックスした様子を垣間見ることができる。

「子役のCMなどでは、カメラに映ることはない目線の先に母親などが待っていて笑顔を引き出すことはままありますが、一般に知られた女優のCMで本当の友人や出演することはごく稀な例だと言えるでしょう。ガッキー自身、メイクやスタイリストなど業界のスタッフが多いことから顔出しOKと考えられ、そうした経緯から実現したキャスティングといえるでしょう」（CMディレクター）

www.youtube.com/watch?v=HnDjOfsyDxw&t=30s

　最後に紹介するのは、最新作の『New Life is … The Movie』と昨年から始まった新シリーズでも、彼女は人生をテーマにさまざまな旅を続けているようだ。ガッキーの円熟味さえ感じさせる表情もさることながら、本CMではそのスタッフ陣も盤石だ。

「監督は山田智和。若き俊英として知られる彼は、映画『新聞記者』や『ヤクザと家族』などで知られる藤井道人と同じく、日本大学芸術学部の卒業。昨今のCM業界には彼らと同じく多くの“日芸組”が在籍しており、一大勢力をなしています。さらに音楽を担当しているのは、アニメーション映画『おおかみこどもの雨と雪』を始めとした細田守監督の映画作曲を長らくつとめる高木正勝。彼らの表現力もあって本CMが“映画クオリティ”で、他CMとは一線を画したものになっていることは間違いないでしょう」（前出・CMディレクター）

　他のCMでは見ることのできないGMOクリック証券の作品群。一度見てみると忘れられない体験になると言っても過言ではないだろう。

加藤マサキヨ（CMディレクター）

1988年生まれ。広告、IT業界に精通。週末はアイドル鑑賞で目を労り、サウナで汗を流す。

かとうまさきよ