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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ゴシップ』週刊誌のスクープはむしろ“損”?
ネットニュース編集者・中川淳一郎が総ツッコミレビュー!#8

『ゴシップ』9話 週刊誌のスクープはむしろ“マイナス”? 出版社の大いなるパラドックス

ネットニュースのタイトルは新聞のラテ欄ではありません

 たとえば、芸能人が書籍を出すとしよう。そして週刊誌やサイトがその芸能人の醜聞を出す場合、書籍編集者としては「やめてくれ!」となるもの。他にも「各大手出版社は毎年持ち回りでジャニーズのカレンダーを出す」といった慣例もある。そのカレンダー担当者からすれば、ジャニタレのスキャンダルを狙う週刊誌編集部は、実に邪魔なのだ。

 大手出版社というものは、一方で芸能人や小説家にお世話になるが、別の面では彼らのスキャンダルを暴くこともしている。このパラドックスを今回の『ゴシップ』は的確に描いている。

 これから物語は第10話、最終の11話と続いていくが、恒例のネットニュースのタイトルチェックである。今回は、これまででももっともひどい。一つ目はコレだ。

<川端容疑者逮捕! 知人女性への暴行で>

→ 一介の編集者がそこまで有名とはいえない。「川端容疑者」ってなんだよ。誰もそんなヤツ知らんだろ。田代まさしぐらいの知名度であれば「田代容疑者」でいいが、川端はそのレベルに至っていない。そんなタイトルで記事が成立すると思うのか。直してやる。

<若き女性の切なる気持ちを弄ぶ編集者・川端心平、権力を握った末の逮捕劇>

 もう一つはこれだ。

<草川敦 初映画化への思い語る>

 これについては、内容がよく分からないので、オレがタイトルを付けるのは避けるが、「思い語る」は最悪のタイトルである。一体内容がどのようなものであるかの想像すらつかない。

 こうした細部にわたってこれまで毎週タイトルにツッコミを入れてきたが、制作スタッフにおかれては、テレビのラテ面のタイトルとネットニュースのタイトルの違いを理解していただければよかったと切に思う次第である。

中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

1973年立川市出身。1997年博報堂入社、2001年無職になりフリーライターになり、雑誌『テレビブロス』のフリー編集者に同年末になる。2006年からネットニュースの仕事を開始。毎月800本ほどの記事を編集する人生に疲れ、2020年8月31日にセミリタイアし、佐賀県唐津市へ。著書は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『炎上するバカさせるバカ 負のネット炎上史』(小学館新書)等。

Twitter:@unkotaberuno

なかがわじゅんいちろう

最終更新:2022/03/10 21:00
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