元KAT-TUN田中聖逮捕と復帰が難しい芸能界…“訳アリ”タレント更生後の場が必要
#覚せい剤 #田中聖
ベテラン芸能リポーターの城下尊之氏が、とかくあおり・あおられがちな芸能ニュースをフラットな目線で、おちついて解説!
――元KAT-TUNの田中聖が2月24日、覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕されましたね。ライブ出演のために滞在していた名古屋市内のビジネスホテルに覚せい剤を置き忘れて従業員にみつかり発覚。尿検査の結果も陽性反応が出たと報じられました。今後どうなるでしょうか。
厳しいですね。おそらく執行猶予が付くでしょうが、執行猶予が明けないと音楽活動には復帰できないでしょう。その後は、ライブ中心の活動になると思いますが、会場まで見に来てくれるファンがどれだけ残っているのか。そこが問題になります。今の芸能界は不祥事を起こしたら復帰が非常に厳しい。
――田中はもともとライブ活動がメインでしたが、テレビがメインだったらおそらくもう出てこられないでしょうね。テレビは一度不祥事を起こしてしまうと復帰が相当難しくなりました。
その典型例が、2020年に発覚した「多目的トイレ不倫」で芸能活動を謹慎していたアンジャッシュの渡部建さん。2月15日に『白黒アンジャッシュ』(千葉テレビ)で活動を再開しました。この番組は、少し遅れて複数の地方局でも放送されるんですが、そのうちの1つであるTOKYO MXは、渡部さんの復帰の前に放送を終了させてしまったんです。TOKYO MXは株主のなかに東京都が入っていますから、この手の不祥事は特に嫌ったのかもしれません。こうなると右にならえで他の地方局も放送を躊躇する可能性も。ただでさえ前途多難な渡部さんの復帰が、さらに険しいものになってしまいました。
――犯罪ではないけれど「多目的トイレ」のインパクトが強すぎるからなあ。
前回お伝えした羽賀研二さんも、「芸能界に復帰したい」と希望していますが進展はありません。
――そりゃそうでしょうね。
一度失敗すると復帰できないのが昨今の芸能界。例外的にうまく行ったのが2019年に不倫が発覚した原田龍二さん。当時は相当批判されましたが、誠実に記者会見を行ったことが功を奏してすぐに復帰できました。
――原田龍二は異例中の異例ですね。
昔だったら不倫はもちろん、大麻などの薬物による逮捕でも、なんとなく戻ってこられる寛容さがあった。それが芸能界だったんです。今はSNSで厳しく批判される。批判されるとスポンサーがつきにくく、番組に起用されなくなる。もちろん犯罪はきちんと罪を償い、不倫はしっかり反省して、場合によっては活動自粛も必要でしょう。しかし、その後も当人の人生は続きます。生きていくためには仕事をしなければなりません。職業選択の自由もあります。ずっと芸能界で生きてきたのだから、他の業界でイチから出直すよりは「また芸能界で」と思うのも仕方がない。火中の栗を拾うことは難しいとは思いますが、やり直しができるよう手を差し伸べてくれる人はいないものでしょうか。
――やり直し、というと?
たとえば“訳アリ”のタレントを集めたライブステージを開催する。そこにいくと渡部さんがいる、羽賀さんがいる。生の渡部さん、羽賀さんに会えるとなったら、来てくれる人もいるのでは。そういうステージでもない限り、表舞台に復活できないということになる。
――“訳アリ”タレントの起死回生の場といえば、YouTubeもあります。
YouTubeだと、元雨上がり決死隊の宮迫博之さんのようにYouTubeだけで終わってしまう。そこからテレビに出るという道筋はないですよね。それにYouTubeだけで生活できる人はほんの一握りの人だけ。
――YouTubeは無料で見られるから物好きは見るかもしれないけれど、チケットを買わなければ入れないステージだとわざわざ“訳アリ”タレントを見に行く人は少ないのでは⋯⋯。
そうかもしれません。ただ、そういう道がないと芸能人は聖人君子であることを求められ、おもしろくなくなるような気がする今日このごろです。
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