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新庄監督“ビッグボス”の孤立無援 実情は「外も中も敵だらけ」?

新庄監督ビッグボスの孤立無援 実情は「外も中も敵だらけ」?の画像1
(Getty Images)

 プロ野球開幕まで約3週間。2022年シーズンの話題を独占しているのが“ビッグボス”こと日本ハムの新庄剛志監督だ。突然の引退発表、バリ島への移住、現役復帰挑戦など、予測不能な行動を続けてきた彼が次に起こしたアクションは、まさかの監督就任。マスコミはこれに飛びついた。

「例年1月と2月はスポーツニュースが枯れる時期で、頼みの綱はプロ野球のキャンプくらい。今年は大物の移籍もなければ、超大型新人もいないので、定期的にネタを提供してくれる新庄監督を取り上げるしかなく、報道は新庄一色になりました」(週刊誌スポーツ担当記者)

 派手なファッションや突拍子もない発言がメディア映えするのは、これまでの報道を見れば明らか。プロ野球ファンのみならず、お茶の間にまで彼の顔と名前は広く浸透しており、その時点で彼の起用は成功にも思えるが、現場から聞こえてくるのは明るい話ばかりではない。

「新庄監督の起用でマスコミの注目度が目に見えて上がり、チームの雰囲気は確かに明るくなりました。しかし、就任会見の『優勝なんて目指さない』という発言に始まり、清宮幸太郎に減量を命じたり、杉谷拳士にテレビ出演NGを申し渡したりと、何を言い出すか分からないので、選手は戸惑いを隠しきれない様子です。日本のプロ野球は外国人監督の成功例が少なく、意思の疎通がうまくいかないのが一因ですが、もはやそんな状態。“何をやっても主役は監督”とこぼす選手もいます。

 成績が低迷するチームが競争を促して浮上を図るのはセオリー通りですが、たとえオープン戦でも、スタメンをクジで決めたり、試合ごとにガラッとメンバーを変えるようなやり方は選手のプライドを傷つけるもの。雰囲気は明るくても、不満のタネはそこら中に転がっています」(スポーツ紙記者)

 プロの世界は注目されてナンボ。大勢から注目を浴びる状況は喜ばしいことだが、注目のされ方にも条件はあるということだ。チームの外にも、新庄フィーバーを苦々しい思いで見つめる者はいる。

「ライバル球団の選手、監督、コーチは言葉にこそしませんが、新庄だけには負けたくないと感じているはずです。今シーズンは勝っても負けても新庄が話題の中心になるのは確実。彼に好き勝手にやらせてしまえば、他球団は引き立て役のピエロになってしまうので、そうはさせまいと日本ハム戦は目の色を変えて戦ってくるでしょう。

 さらに、表面上は平静を装っているものの、腹に据えかねているのだろうなのがOBたちです。通常なら監督というポジションは、スーパースターを除き、コーチや野球解説の仕事を地道にこなしてようやくたどり着くもの。ところが新庄は突出した実績がなく、外国で長らく気ままな生活を送った後、指導経験がないまま監督になりました。これで彼が成功したら“野球ムラ”のルールが壊れてしまう。現状では新庄を叩くと自分がバッシングされるのでおとなしくしていますが、野球評論家の大半は心の中で日本ハムが大コケするのを望んでいますよ」(フリーの野球記者)

 さらにこんな指摘もある。

「そもそも、今季の日本ハムは投打ともに戦力がショボい。柱となる選手がいない上に、選手層も薄い。おまけに西川遥輝、大田泰示、秋吉亮と、実績がある選手を放出してしまい、新外国人がよほど活躍しない限り、ビリ争いをするのは確実でしょう。来年から本拠地を移転するので、本当の勝負は来年以降という見方もできますが、あまりに成績が酷いと新庄の求心力も一気に弱まるはず。北海道のファンは温かいので、長期プランで常勝軍団を目指せるのは好材料ですが……」(前出・スポーツ紙記者)

 ビッグボスの“ビッグ”な活躍が続くよう、祈るばかりだ。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2022/03/03 21:00
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