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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > モグライダー芝は本当に天才か?

モグライダー芝のツッコミは天才的か?バラエティに出始めたこれから真価が問われる

芝のツッコミはまだまだ進化する!?

 良い点はほかにもいろいろあるのだが、長くなってしまうので、最後にひとつ。

 僕が一番魅力的に感じるのは2人の「キャラクター」、とくに芝さんのキャラクターだ。

ある時期、僕は若手芸人のネタを見る仕事をしていた。そのときに若手の担当マネージャーさんが「最近は真面目な若手芸人が多い」と言っているのをよく耳にした。確かにそうかもしれない。

 僕がまだ芸人で若手の時代(20年近く前)は、ライブのエンディングになると我先にボケたがる芸人が山ほどいた。しかし最近のライブではエンディングでボケを譲り合ったり、フリートークに参加せず邪魔をしないように気を付けていたりと、芸人としてはマイナスに思える真面目な若手が増えた。

 しかし芝さんからは、良い意味で不真面目というか不良の雰囲気がする。髪形がリーゼントということでそう見えてしまうのかもしれないが、僕が印象に残っているのはM-1グランプリの舞台に登場する直前、不良のようにポケットに手を突っ込んでいた姿だ。誰もが緊張し、少しでも印象を良くしようとする場面で、ポケットに手をインしているなんて、やんちゃ以外の何者でもない。古き良き破天荒な芸人の匂いがして素晴らしい。

 そういえばけっこう前に芝さんを天才だと言っているネット記事を読んだことがある。天才と言える理由は「ともしげさんがセリフを噛んだり、間違えたときにアドリブでツッコミを入れ笑いに変えるから」とのこと。元ツッコミから言わせてもらうと、そこは当たり前で天才でもなんでもない。大事なのはそれをどの場面でやれるかだ。

 MCがいる番組ではツッコミはほぼMCがやる。そうなったときにコンビのツッコミは真価が問われる。自分がツッコミではなくボケ側にまわるのか、少ないツッコミどころを明確に狙っていき、絶対に笑いを起こすのか。芝さんが天才かどうかは、これからわかることではないだろうか。

 ちなみにお笑いの世界では「ツッコミの成長がコンビの成長」という言葉がある。

 つまりボケがどれだけ面白くてもツッコミが成長しなければコンビとしては成長しない。今後のモグライダーは芝さんの成長にかかっている。

 進化したモグライダーは一体どういう形なのだろうか。気になって仕方がないコンビである。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2022/02/26 12:00
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