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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ゴシップ』Yahoo!ニュース“出禁”レベル?
ネットニュース編集者・中川淳一郎が総ツッコミレビュー!#6

『ゴシップ』7話 Yahoo!ニュース“出禁”レベル? ネット記事のテキトータイトル、さすがに喝!

タイトル3本を添削すると…

 さて、今回はカメラマンの笹目の言葉が実によかった。「100の言葉より1枚の写真の方が雄弁」だが、それはあると思う。確かにカメラマンは人の本質を見抜く力がある人が多い。そうした点でもこれはリアリティがある。あとは、自転車にはねられそうになった凛々子を笹目が引っ張り回避させた時、自然と「ありがとう」という言葉が出る。初期の頃、「ありがとう」を言う理由がわからない、といった人の心がわからない人物扱いされていた凛々子も成長していることをこのシーンだけで表現している。

 さて、それでは今回もタイトルを直してみる。私は1分以内にタイトルは付けている。

【たまこ記事1本目】
<的中率99.6%!? 怖いほど当たる、たまこ占い!>

<占いネコ・たまこの的中率はいかほどか? 記者3人が占ってもらった結果>

 確かに根津のタイトルの方が読まれるだろう。だが、あの取材の様子で占いの結果を記事化するのであれば、これぐらいの穏やかでどうとでも取れるようなタイトルでなければガチでポータルサイトから出入り禁止を食らってしまう。

【たまこ記事2本目】
<【第2弾】大人気たまこ占い!的中率さらにアップ!この占い当たりすぎる。>

<占いネコ・たまこの飼い主、「信憑性を高めたい」とさらに多くの人数を占った結果>

 これもそうだ。もう、正直このぐらいしか言えないし、同じ占い師が短期間で2回も登場し、パブ記事(宣伝記事)を書いてもらうなんてことはあり得ない。この段階でポータルからは確実にイエローカードは来るだろう。だから正直弱いタイトルではあるが、取材が弱いので、これぐらいが妥当だ。

【梢がブローケンハートになったマッチングアプリについての記事】
<マッチングアプリの光と闇>

<マッチングアプリで出会った独身イケメン、実は既婚子持ちで邪魔なネコを女性に押し付けトンズラの極悪卑劣>

 これは私の得意なタイプのタイトルだが、凛々子が付けたタイトルは「へぇ~、どんなのがあるんだろう」程度の興味喚起はするだろうが、読む前から「どこまで極悪卑劣なヤツなのか知りたい」と思わせるには私の付けたタイトルの方がいい。こちらはキチンと梢が受けた酷い経験がベースになっている。

 相変わらず面白いドラマではあるが、しかしなぜ根津はいつもあんなに怒っているのだろうか。根は優しいのはわかるのだが、取材先でもケンカ腰というのはあり得ない。

中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

1973年立川市出身。1997年博報堂入社、2001年無職になりフリーライターになり、雑誌『テレビブロス』のフリー編集者に同年末になる。2006年からネットニュースの仕事を開始。毎月800本ほどの記事を編集する人生に疲れ、2020年8月31日にセミリタイアし、佐賀県唐津市へ。著書は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『炎上するバカさせるバカ 負のネット炎上史』(小学館新書)等。

Twitter:@unkotaberuno

なかがわじゅんいちろう

最終更新:2022/02/25 14:07
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