元[Alexandros]庄村聡泰、SixTONESの美学研ぎ澄ませ過ぎで尖り過ぎな「Rosy」の構造を活字化して悶絶
#SixTONES #ショウムライター
まだワンコーラス終わってねえのにこの有様である。
体感5秒と散々書いたが実際は3分弱。しかしど頭のAメロをなぞるギターからイントロ行くかと思いきやそこをフル無視でいきなり言葉の洪水が襲い掛かってくる。歌詞を聴き取りたいがそこを揺蕩う様に散りばめられている鍵盤がやたらとカッコ良い所為で全く集中出来ない。
ああ左チャンネルからは超ファンキーなワウギターだこれも好物なので更に集中出来ず、そうして呆気に取られているともうBメロ。”悪あがきしましょ”の歌詞に”はい、悪あがきさせられておりますが既にカッコ良すぎて太刀打ち出来る気が全くしないんすけどそれでも宜しいんでしょうか……”との思いを無惨に打ち砕くかの様に切り込んでくるカッコ良いドラムのフィル。ここで僅か1拍のブレイクを経てサビへと進むのだが、またもや喰らわされる事となる。
余りにも唐突且つ劇的なサビの入りに一瞬何が起こったか分からず巻き戻す羽目となったのだが、なんとサビ直前にのみ変拍子がぶち込まれると言う狂った構造。まだワンコーラス終わってねえのにこの有様である。
少々ドスを効かせた様な歌唱と抜けてくるファルセットの歌唱が交互に訪れるコントラストが美しく、且つめちゃくちゃ扇情的なサビ。仕掛けは擬音と濁音だらけの歌詞に因る所だろう。これマジでパンチきいてんなあ……。と、破裂音の波状攻撃による快感にめまいを覚えている間もなく、また忙しなく曲はジャジーなエレピによるソロへと展開して行く。まためちゃくちゃに気持ち良いプレイなのだがこれもたったの4小節で終了。Aメロへと戻って行く。
2Aと2Bは1番と打って変わってベースが弾き倒す展開。AメロのスラップやBメロのおい何処まで行っちまうんだってくらいの高音フレーズの応酬で超カッコ良いのでまたもや歌詞を味わう事に失敗。で、聴き直してみたら今度は鍵盤も打ち切られたソロの続きだと言わんばかりに弾きまくっとる事に気付きまたもや超カッコ良いので失敗。サビ前のドラムのフィルも1番とは異なるフレージングではないか。良いのかこんなに楽器が暴れたい放題で。
そんなこんなでなだれ込む2サビ。後半の”研ぎ澄ませ其の美学”にハッとさせられる。いやいや美学研ぎ澄ませ過ぎで尖り過ぎですSixTONESさん。そして俺はそんな鋭い言葉の刃で気持ち良く斬られまくり。
突如訪れる静寂。不穏なシンセとマーチング調のドラムに乗せて超高音の”Go Ahead”、そちらを呼び声として1サビのリフレインだ。勢いそのままにエレピとギターが火花を散らすソロがまたたったの4小節差し込まれ、曲はクロージングを迎える。
以上、この体感5秒の3分間の詳細を出来る限りで活字化してみた。
そもそものテンポがかなり早い上に詰め込みまくった歌詞と細かいフレーズだらけの演奏。Bメロと2サビ後でしっかりと緩急が付けられてはいるもののそのスピード感は緩められる事はなく(そもそもBメロはそれでも言葉数がかなり多く、また演奏はAメロとサビよりも複雑な構成)、16分音符がひたすらにゴリ押される基本構造と多人数である事を活かし目まぐるしく絡み合いながら歌唱が展開されると言う攻めっ放しの展開、そして徹底的に削ぎ落とされた小節数(イントロなし、間奏とアウトロはたったの4小節)にブン回されながらあっちゅう間に終わって行く様はさながら聴くジェットコースターの様相を呈しており、ジャズ、ファンク、フュージョンの意匠を大胆に取り込みつつも”愚蒙”、”泥中”、”雁字搦め”、”狼狽えた”、はたまた”あんたがったどこさ”や”ハレとケ”までと和の要素を引用しながら早口で韻を踏みまくる気持ち良さは何度聴き返しても新たな快感ポイントを発見させてくれる。
よって「アルバム全編で」と依頼された記事が単曲のみのでこの文字数となってしまった。全部この曲がカッコ良過ぎる所為なので俺の所為ではありません。
さーせん。
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