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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ねほぱほ』ネット“特定”のヤバい心理とスキル
「たまたま見かけた可愛い女の子を暇つぶしゲーム感覚で特定」

『ねほりんぱほりん』ネットで“特定”しまくる人のヤバい心理とスキル

特定行為は犯罪ではないのか? 弁護士の見解

 コウタさんの日常を知り「怖っ」「危ないですね……」と引いたアリサさんは、おまゆうでしかない。自分を棚に上げているが、同類と気付いていないのだろうか? なんと彼女、持ち前の特定スキルを買われ友人から依頼されることもしばしばだそう。以下のような依頼だ。

・別れた彼氏に新しい彼女ができたから、どういう女か探してほしい
・先輩が会社を休んだのだけど、ズル休みじゃないか証拠を探してほしい

 上記の依頼を彼女は承っている。もはやプロ、興信所のレベルだ。ケビン・ミトニックじゃないんだから。この人が探偵事務所に行けば、即戦力になるのでは? 探偵は何を契機に探偵を目指すのか不思議だったが、アリサさんのような人こそ天職なのだろう。でも、気持ち悪い。こんな手柄で承認欲求を得たくない。「さっきドン引きしていたのはどこの誰なんだよ?」という気持ちだ。依頼する友だちも友だちだし、嫌な友人関係だと思う。

 彼女のような特定行為に問題点はないのか? 番組は弁護士に話を聞きに行った。

「基本的にはインターネット上に出ている情報を集めてきているだけなので、違法ではないと一般的には言えます。ただ、特定した住所をインターネット上に書いてしまうとプライバシー侵害になります。(相手が)芸能人で、家に毎日のように来るという場合になると業務妨害ということもあり得ます」(弁護士)

「特定しただけ」と「特定してから何かする」とでは、大きく異なるらしい。じゃあ、アリサさんはどうなのか。ネットにアップするのが犯罪なら、友人に教えている彼女はセーフと言えるのか? 微妙な線という気がする。

「特定した情報をインターネットに放流してしまって、第三者の権利侵害が生じることがあり得るわけですよね。で、実際に間違った人を特定してしまって責任追及されたり、刑事事件になっているケースもあります。そういうリスクがあることを考えて、安易な行動は避けるべきだと思いますね」(弁護士)

 女性アイドルの投稿した画像を見て、アイドルの瞳に写る景色で自宅を特定。それを元にストーキングした男が逮捕された事例が過去にあった。特定班は安易な行動に走る前によく考えてほしいし、投稿する側もアップ直前によく考えなければならない。そんな時代がきている。

勝手に裏アカを探し出し、勝手に傷つく

 アリサさんが特定を始めたのは中学時代。友人の裏アカウントを見つけたのがきっかけだった。彼女は仲良しの女子5人グループに属していたが、その中の1人が「今日のあの子の態度が気に食わなかった」と投稿していたのだ。

「5人グループの中で2人の子がお互い悪口を書いてたら、いずれ戦争が起きるってわかるじゃないですか。なので、その事前回避というか、先にこっちから『大丈夫?』と声をかけ、愚痴を聞くことで彼女のガス抜きをしたっていう感じです。戦争が起きないようにトラブルを避ける」(アリサさん)

 外交のようであり、国防長官みたいでもあるアリサさん。平和維持のためにはスパイ行為も重要という口ぶりだ。でも、果たしてそれは正しいのだろうか?

「決してプラスの面だけではなくて。例えば、『どっか寄り道しようよ』って誘ったら『ごめん、今日予定あるから』って言われて。でも、裏アカを見て『あいつがいたから寄り道をしなかった』ってつぶやかれると、私のことじゃなくても……。知らなくていいことまで知るのは結構つらい」(アリサさん)

 自ら勝手に情報を得に行ったくせに、善人ぶってたそがれるアリサさん。何を綺麗事を言っているのかという……。自ら覗きに行って傷ついたのだから、世話ない。声に出さない本心は聞かないほうが平和だし、すべてを知ると幸せになれるわけでもない。居場所の特定より怖いのは、本心の特定である。

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