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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ゴシップ』編集現場の「記事にできない」あるある
ネットニュース編集者・中川淳一郎が総ツッコミレビュー!#5

『ゴシップ』6話 黒木華も「記事にできない」? 上司ビビって記事ポシャる、編集現場あるある

『ゴシップ』6話、黒木華も「記事にできない」? 上司ビビって記事ポシャる編集現場のあるあるの画像1
『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(フジテレビ系)

 おいおいおいおい、「こんな編集部あるかよ!」とツッコミを入れるために見始めた『ゴシップ #彼女が知りたい本当の〇〇』(フジテレビ系)が俄然、面白くなってきたじゃないか! 第6話では、世界2億3000万部を売った大ヒット漫画の作者・南雲タケシが「東京国際MANGA祭」の実行委員長に就任したことから発生する波紋がテーマだ。

 彼が23年前の雑誌インタビューで書店で万引きをし、結局その書店が潰れたことを過去の武勇伝的に語っていたことが掘り返され、辞任に追い込まれるというもの。そこから娘への嫌がらせや南雲本人の葛藤などが描かれるとともに、ネットニュースサイト「カンフルNEWS」編集長の瀬古凛々子(黒木華)の過去とこの件がシンクロされる。

※これが過去回のレビューだ!




小山田圭吾の「鬼畜いじめ」っぽい騒動が勃発

 南雲の件については、「万引きで店が潰れた」は過去のあびる優によるテレビでの窃盗発言をまずは想起させる。そして「ネットの批判に耐えきれず要職を辞任」については、小山田圭吾氏が過去の雑誌記事での「鬼畜いじめ自慢」が原因で東京五輪の音楽担当者の職を辞任したことと、佐野研二郎氏の「東京五輪エンブレム騒動」と辞退を重ね合わせることができる。

 結局、南雲の件は「万引きは事実だったが、廃業に追い込んだのは事実ではない」ということがわかるのだが、「犯罪は犯罪だろ」といったネットの反応も紹介されている。こうした細部、ネット民の不祥事に対する反応についてはかなりリアルである。ディテールがよく作り込まれていて、現実にネットで議論になっているキャンセルカルチャーを題材にしたようだ。週刊文春をベースとしているであろう「週刊東西」の表紙も、文春に雰囲気が似ている。

 そして、今回特筆すべきは常に「あなたは戦力外」と言われ続けてきた一本真琴(石井杏奈)が前回の活躍を受け、こう言われなくなったことだ。あとは、ついに根津道春(溝端淳平)と笹目虎太郎(寛一郎)による凛々子をめぐった三角関係も開戦か、といった期待感も持たせてくれる。

 編集部員は、これまで数回にわたって指摘した「探偵か!」というツッコミをしたくなる行動をしてきたものの、凛々子の次の言葉はそれを覆すものだった。失踪した南雲の娘がカンフルNEWS編集部に乗り込み、「父を探してください!」と訴えた時の言葉である。

「それは私達の仕事じゃない。彼を探しても記事にできない。PVが稼げない。警察に頼むか、別のところに協力を依頼すべき」

 しかし、ここで真琴が南雲を見つけることによってPVが取れる記事が作れる根拠を提示し、編集部員は動き出し、南雲を探しに行くのである。こうした点で少しずつネットニュースの現場の一体感が増してきた。さらに、凛々子に近づいてくる謎のカメラマン・笹目の姉で、中学時代に変死体で見つかった岸辺春香(永瀬莉子)の演技がいい。金髪時代は華原朋美にしか見えないのだが、不良少女役を演じるとともに、最後、黒髪にして凛々子に何かを伝えに来る場面は、本作のこれまでのシーンの中でも白眉である。

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