『牛首村』Kōki,の初演技で覚醒した、「村」ホラーシリーズの最高傑作!?
#映画 #ホラー #Koki #清水崇
『牛首村』は、ジャパニーズホラーの巨匠・清水崇監督の「恐怖の村」シリーズこと「村」ユニバースの第3弾にして、「村」縛りとしては、最終作となる可能性のある作品だ。
というのも、配給元の東映は、「東映×ブースタープロジェクト」と題して、清水監督の新たなホラー作品の企画を一般募集しており(現在は終了)、それによると「村」縛りにする必要がないからだ。
ついにネタ切れかと思うかもしれないが……その通りだろう。
『犬鳴村』(2020)から始まった同シリーズだが、前作の『樹海村』(21)では、世界観を共有しようとするがあまり、ストーリーのつながりが不自然で、作品全体に違和感を与えていた。
そんな前作に比べれば今作は、毎回ヒドい目にあう、一応は別人設定のメタ的なキャラクター・YouTuberのアキナ(大谷凜香)が登場すること以外は、最終的にサイケデリックな超常現象ホラーに持っていく力業テイストも落ち着いていて、単純にホラー作品として、うまくまとまった作品になっていた。
心霊どころではない、原理が全く不明なトランス&ワープ演出などは、今作でも健在だ。だがネタや設定は、前2作のように浮世離れしたものではなく、田舎の村に伝わる言い伝えとして普通にありそうなもの。双子に対する保守的な考え方を用いて、田舎の不気味さをうまく演出している。
「村」をホラーとして扱うということは、本来こうあるべきということに、シリーズ3作目にしてようやく覚醒した──そんな映画『牛首村』が、2022年2月18日から公開される。
【ストーリー】
雨宮奏音は、ある心霊動画に映った、自分にそっくりの女子高生を見て驚愕する。牛首マスクを無理やり被らされ、廃墟に閉じ込められたところで、映像は途切れた。彼女は誰なのか?妙な胸騒ぎと、忍び寄る恐怖。何者かに導かれるるように、動画の撮影場所である坪野鉱泉へと向かう。妹の存在、双子、牛の首……。「牛首村」と呼ばれるおぞましい場所の秘密と風習が、狂気と恐怖となり、彼女にまとわりついていく……。
※次のページからネタバレを含みます!
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