コロナ禍直撃! 侍ジャパン試合「中止」なら億単位の損失も…
#侍ジャパン
コロナ禍がプロ野球界にさらなるダメージを与えそうだ――。
野球日本代表「侍ジャパン」と台湾代表の試合が3月5日と6日に東京ドームで開催される予定だが、延期となる可能性が浮上している。
対戦国の台湾メディアなどによると、日本の新型コロナウイルスの感染状況が下火になっておらず、日本への移動、そして試合を行うにはリスクがあると判断。近日中にも侍ジャパンを統括するNPB(日本野球機構)サイドに協議を打診するという。斉藤惇コミッショナーは2月13日、「希望としてはやりたい」としながら、近日中に開催の可否を判断したいとの意向を示した。
昨年8月の東京五輪で金メダルに輝いた侍ジャパンは、稲葉篤紀監督が退き、新監督として、昨年まで10年間北海道日本ハムファイターズの監督だった栗山英樹氏が就任。初めて指揮するのが3月の試合となるが、当初より中止や延期の可能性を案じる者は多かった。
プロ野球OBは、次のように解説する。
「政府のコロナ対策の一環で、2月末まで新たな外国人の入国は認められていません。特例でサッカーW杯の予選だけは日本国内で行われましたが、今回は来年開催が予定されているワールドベースボールクラシック(WBC)の予選でもなく、単なる強化親善試合。正直な話、無理してやる必要は全くない試合です。岸田文雄首相は緩和に向けた検討を進めたいと話してはいますが、国内の状況がよくならない中で水際対策の緩和に踏み切れば、批判の的となるでしょう」
日本野球機構(NPB)も、すでに台湾代表の入国を認めてもらうように関係省庁を通じて申し入れこそしているが、昨年は新助っ人外国人選手が次々と足止めされ何カ月も入国できず、公式戦の勝敗に大きく影響が出たことを考えると、全く予断を許さない状況と言えるだろう。
このまま感染状況が改善されず、政府の協力も得られなければ、代表の試合そのものが頓挫してしまうが、甘んじて受け入れることも“やりにくい”事情もあるという。
「1月時点で地上波テレビキー局2社が1試合ずつの放映権を購入しており、NPB側もこれをアテにしています。もちろん試合中止となれば、チケットを含めて収入はなくなってしまう。これでは億単位の収入が吹っ飛び、組織として打撃を受けるのは間違いありません」(同)
2月1日プロ野球春季キャンプスタートと同時に、栗山監督は挨拶回りと代表候補者選びを兼ねて沖縄、宮崎に陣取る12球団のキャンプ地を回ったばかり。稲葉ジャパン時代から代わり、若手主体で試合に臨むようだが、全ては予定どおり試合が開催されて初めて成立すること。
これまで築いた「侍ジャパンブランド」の信用を失墜させないために関係先を説得や交渉にあてられる時間は、あまり残っていない。
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