中国軍が台湾に侵攻しても米軍は動かない? あえて明かした蔡英文総統の危機感
#台湾
習近平主席に台湾侵攻への自信を与えた香港での成功体験
対岸の香港では、欧米諸国の強い批判をものともせず、中国政府によって民主派勢力が見事なまでに叩き潰された。
そして、香港に中国本土とは異なる高度な自治を香港返還から50年間、2047年まで保証されるはずだった一国二制度は完全に形骸化した。
習近平国家主席は今月4日に開幕した北京冬季オリンピックの開会式に出席するため、北京を訪れたロシアのプーチン大統領と会談している。ロシアが14年、自国のソチで開催した冬季五輪後にクリミア半島を併合した成功例と、これから行うかもしれないウクライナ侵攻は、台湾併合による国家統一を目指す習主席にとっては見習うべき、またとない先駆例だ。2人が軍事手段を用いた併合の進め方について突っ込んだ意見交換をしていたとしても不思議でない。
ベトナム戦争時、台湾には3万人規模の米軍が駐留していたとされるが、時代背景も違う。その当時と比較するのは酷かもしれないが、いくら特殊作戦部隊、海兵隊といった米軍の精鋭部隊が台湾に駐留していたとしても、数十人程度の派遣は、あくまで象徴的な意味合いでしかないのだろう。
金門島の戦いを指揮し勝利した根本博中将
米軍が台湾を助けるふりだけをするならば、中国が台湾を軍事侵攻した時には誰が台湾を助けるのだろうか?
根本博元陸軍中将は49年、国府軍(国民党軍)が中国本土における共産党軍(中国人民解放軍)との戦いに敗れ台湾に逃れ、絶体絶命の窮地に陥ると台湾へ渡り、金門島の戦いで指揮を取り、共産党軍を撃破、中国共産党政府に武力による台湾奪取を断念させた。
根本中将を突き動かしたのは終戦後、中国大陸から在留邦人や日本の将兵が蒋介石率いる国府軍の庇護の下、無事帰国できたことへの恩義だという。
「義には義をもって返す」。残念ながら今の日本に根本中将のような古武士はいない。台湾が中国に侵攻されても、ただ空しく傍観するしかない。
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