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「コサキン」2022年に露出増加? 関根勤と小堺一機の”下積み”と起死回生

「キェーッ!」「オゲレッチョ」でまさかの起死回生

 関根との関係について小堺は「二人揃って下積み」をしたと口にしたが、ピン芸人同士である2人のコンビ化には具体的な流れがあった。放送作家の大岩賞介が、「若いモンがふたりしてブラブラするな。それくらいなら組んで勉強会でもやればいいじゃないか」と彼らにアドバイスしたのだ。『関根勤は天才なのだ。』のインタビューで、小堺が振り返っている。

「でも、お互いひとりで売れたいし、コンビなんか組みたくなかったから、『やっぱりイヤです』って改めて大岩さんのところに言いにいくと、『そんなに力まなくていいんだ。クッキー食べるくらいの気持ちでやれば』。その言葉で、急に気が楽になりましたね。『あ、クッキー食べるくらいでいいんだ』って」(小堺)

 現実は、クッキーどころかフル・コースだった。浅井企画創業者の故・浅井良二社長が、いきなり「『お笑いスター誕生!』(日本テレビ系)で10週勝ち抜かさせる! 第二のコント55号にする」と息巻いたのだ。2人は伊豆・伊東にある浅井企画所有のマンションにカンヅメとなり、合宿を強要された。しかし結局、『THE MANZAI』(フジテレビ系)を見て2人してゲラゲラ笑ってるか、惰眠をむさぼるかの毎日で終わったようだ。

「その頃のボクって生意気だったんですね。だいたい『お笑いスタ誕』て、古いタイプのお笑いの人たちが主に審査員やってた。『あんな面白くない人に審査されたくない』って気持ちもあったし、10週勝ち抜いた人たちが泣いたりするのもイヤだったんです。どんなに苦労しても、お笑いタレントなら人前では笑ってなきゃ」(小堺)

 コサキンの芽が開いたのは、『お笑いスタ誕』ではなく『欽ちゃんのどこまでやるの!』(テレビ朝日系)のコーナー「クロコとグレコ」、そしてTBSラジオのレギュラー番組であった。特に後者は熱狂的リスナーとなる若者を多数生み出した。

 始まりは81年。当時、TBSアナウンサーだった松宮一彦がパーソナリティを務める月~金の帯番組『夜はともだち』(TBSラジオ)は人気絶頂だった。しかし、松宮が木曜生放送の『ベストテン』に“追っかけマン”として出演することになり、木曜のみ当時27歳の関根と25歳の小堺がDJとして抜擢されたのだ。

 しかし番組開始当初、2人のラジオは不人気の極みだった。他曜日には200~300通のハガキが届くのに、木曜にはハガキが2通しか届かなかったのだ。『あちこちオードリー』で、関根が当時の思いを語っている。

「俺、もう行くの嫌になっちゃって。だけど、新人がこんなでっかい番組を『やめたい』なんて言ったら大目玉食らうから。だけど、行きたくないの。それで、小堺君に相談したの。『小堺君、俺行くのつらいんだよ』と。『辞めたいって言えないからさ、クビになるように仕向けようよ。俺たちが普段コントでやってるムッチャクチャなことをやっちゃって、それでクビになったら事務所の人にも“一生懸命やったんだけど力不足でした”って言えるよ』って。そしたら、小堺君が『僕もつらかったんです』って言うから『2人でムチャクチャやろう!』って」(関根)

 開き直った彼らが取った策は、後にコサキンの代名詞となる「意味ねぇ~」会話だ。「おじさんガムちょうだい。俺は不死身だぁ~、わぁ~バァ~」「キェーッ!」「オピョーッ」「オゲレッチョ」なんてことをいきなり言い始めたのだ。

「そしたらハガキが来るようになって。要するに、あれはもう成れの果てだったんですねぇ」(関根/『コサキンの一機と勤』より)

 そんなコサキンも昨年で誕生から40周年を迎えた。「今年はコサキンでの活動をやりたい」と口にしていた2人。事実、コサキンとしての露出も増えてきただけに、ユニットとして冠番組を持つ可能性はあるのか?

「テレビでもコサキンがメーンの番組を何本もやらせてもらいました。ただ、残念だけど、これは成功したって番組、ありませんでしたね。やっぱり、テレビとラジオやライブって、メディアそのものの性質が違うんでしょう」(小堺/『関根勤は天才なのだ。』より)

 2022年、コサキンの新展開はラジオもしくはライブシーンで目撃できるだろうか?

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/02/11 19:00
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