トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『大怪獣のあとしまつ』酷評なのにヒット

『大怪獣のあとしまつ』“本格SF”ミスリード宣伝は大成功? 酷評なのにヒットの怪

『大怪獣のあとしまつ』本格SFミスリード宣伝は大成功? 酷評なのにヒットの怪の画像1
映画『大怪獣のあとしまつ』公式Twitter(@daikaijyu_movie)より

 2月4日公開の映画『大怪獣のあとしまつ』が、公開初週の週末興行ランキング(2月7日発表)で初登場1位を記録した。しかし、ネット上では同作を酷評する投稿があふれており、まるで炎上商法のような状態になっている。

 Hey! Say! JUMPの山田涼介が主演を務め、西田敏行、土屋太鳳、濱田岳、オダギリジョーなどの豪華キャストが出演する同作。日本に襲来した巨大怪獣が倒された後、その死体の“後始末”に奔走する特務隊員や政治家などを描く“空想特撮エンターテイメント”だ。

 監督・脚本は、『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)や『笑っていいとも!』(フジテレビ系)などの人気バラエティー番組に放送作家として参加し、テレビ朝日系ドラマ『時効警察』シリーズや映画『俺俺』などを手掛けた、三木聡が担当した。

「予告編は、怪獣の死体に立ち向かう人々の群像劇にスポットが当てられているような雰囲気で、キャストも豪華。本格SF庵野秀明作品で多用される極太の明朝体の文字が多く登場し、まさにヒット作『シン・ゴジラ』をイメージしていた観客も多かったはず。しかし、蓋を開けてみたら、いわゆる“コメディ”で、期待していたものと全く違う内容だったという感想ばかり。しかもそのコメディも“ビミョー”で、酷評されているのでしょう」(映画関係者)

 あるテレビ関係者はこう話す。

「三木聡さんの作風を考えれば、『シン・ゴジラ』のようにはならないのはわかっていたこと。三木さんは何本も映画を監督していますが、代表作と呼べるようなヒットはなく、業界内では“ドラマはいいけど映画監督としての才能は微妙”というのが定評となっています。コメディとしても、“笑いのセンスがちょっと古臭くて、観ていられない”といった厳しい声が多いのも事実。今回の『大怪獣のあとしまつ』が酷評されるのも正直、想定内でした」

 同作は、松竹と東映が初めて共同幹事・配給を務める作品だ。

「松竹と東映の両社のメンツがかかった作品ということもあり、コケることはできなかった。作品の内容的には微妙だったとしても、うまくプロモーションして興行成績では結果を出したかったということなのでしょう。だからこそ、コメディであることはあまり見せず、『シン・ゴジラ』的なパッケージで宣伝したのだと思います。結果的に話題にはなったし、興行ランキングでも初登場1位をとったという意味では、この宣伝は大成功ですよ。ただ今後、不名誉な意味で何十年も語り継がれてしまいそうな作品になりましたね」(前出・映画関係者)

 ここで危機的状況に押しやられそうなのが、三木聡監督だ。

「今回で業界内だけでなく、観客にも“三木監督はビミョー”というイメージがついてしまった。今後大作には起用しづらくなってしまったと思います。でも、そもそも下手に期待を煽らずハナからコメディだと言っておけば、こんな酷評にもなっていなかったはずなので、三木監督にとっては迷惑な話なんですけどね」(同)

 “大酷評なのにヒット”というイレギュラーな展開となっている『大怪獣のあとしまつ』。この映画の“後始末”もいろいろと大変そうだが、ここまで酷評されると逆に見たくなる人もいるのかも?

手山足実(ジャーナリスト)

出版業界歴20年超のベテランジャーナリスト。新聞、週刊誌、カルチャー誌、ギャンブル誌、ファンクラブ会報、企業パンフレット、オウンドメディア、広告など、あらゆる媒体に執筆。趣味はペットの動画を見ること、有名人の出没スポットパトロール。

てやまあしみ

最終更新:2022/02/10 19:00
ページ上部へ戻る

配給映画