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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ゴシップ』文春もあんなに感じ悪くないぞ!
ネットニュース編集者・中川淳一郎が総ツッコミレビュー!#4

『ゴシップ』5話、若手編集者と「マスゴミ」の葛藤…文春もあんなに感じ悪くないぞ!

凛々子はちゃんとタイトル直せ!

 そして、今回も恒例のタイトルチェーック。真琴がプロゴルファーに取材した記事のタイトルである。

<【独占インタビュー】親友から見たサワユナ『いつかゴルフ漫画のモデルに』-夢に向かった17歳>

 これも惜しい。【独占インタビュー】はまぁ、手法として悪くないのだが、一体この記事の主人公が誰なのかが17文字目まで分からないのである。そして「いつかゴルフ漫画のモデルに」というあまりにキレいなエピソードになっているのは、凛々子はちゃんとタイトル直せ! と思った。

 そして、「サワユナ」の本名は沢宮結奈だが、編集者は取材対象に対し、敬意を持つべきだと私はいつも思っている。木村拓哉が「キムタク」と呼ばれることをあまり好ましく思っていないというのは編集者の間では語られていることであり、「キムタク」という表現は極力しないようにしている。あとは「サワユナ」と「沢宮結奈」のどちらが強いかといえば、後者な気がする。松井秀喜のことを「ゴジラ」と呼ぶが、これだけ見ると怪獣のゴジラか松井なのか一瞬ではわからないのだ。恐らく普段から目にする頻度が高いのは「沢宮結奈」の方が多いのでは。となれば、「サワユナ」はタイトルには入れづらい。

 そうしたことから私がつけるタイトルはコレである。記事の内容はよくわからないが、真琴が沢宮選手の本音を引き出し、活動再開に至った心境の変化を探ったとする。なお、作中で沢宮選手は「私はマスコミが嫌い」と言っているので、その部分も使わせてもらう。

<「マスコミが嫌い…」沢宮結奈がパパラッチとの攻防を述懐、復帰決意までの心の揺れ>

 多分、こうした内容にした方が沢宮選手の復帰は歓迎されるし、それでもあえて独占インタビューにこぎつけた敏腕編集者といったイメージを与えられる。実際にオンエアされたタイトルでは「お友達だから記事を書かせてもらえた」「私は結奈と仲が良い」のアピールになり過ぎているのである。

 ネット上では今後の展開を予想する声も多数書かれているが、私が一つ鍵を握っていると思うのが、凛々子が決してマフラーを外さないことである。もしかしたら、冒頭の変死事故と関係があるのでは……。たとえば、その変死事故に心を痛め、自ら首を切って死のうと思い、大けがをしたのか。あるいは、本当にその友人の変死に関連し、最後、猛烈な勢いで引っかかれ、首がエグれるほどの傷を負ったのか。

 さすがに突飛過ぎる予想ではあるが、あのマフラーを外さない様子は何かの伏線な気がしてならない。それと同時に夏は凛々子はどんな格好をしているのだろうか、という興味もわいてくる。

中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

1973年立川市出身。1997年博報堂入社、2001年無職になりフリーライターになり、雑誌『テレビブロス』のフリー編集者に同年末になる。2006年からネットニュースの仕事を開始。毎月800本ほどの記事を編集する人生に疲れ、2020年8月31日にセミリタイアし、佐賀県唐津市へ。著書は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『炎上するバカさせるバカ 負のネット炎上史』(小学館新書)等。

Twitter:@unkotaberuno

なかがわじゅんいちろう

最終更新:2022/02/24 18:04
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