『ホンマでっか!?』薄毛イジり特集、令和にルッキズム丸出しの笑いはどうだった?
#田中卓志 #ホンマでっか!?TV #小杉竜一 #坪倉由幸 #海原はるか
1月26日放送の『ホンマでっか!? TV』(フジテレビ系)が、1時間ぶち抜きで「薄毛オールスターズお悩み相談!」なる企画を行った。「薄毛オールスターズ」とは、海原はるか(海原はるか・かなた)、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)、田中卓志(アンガールズ)、坪倉由幸(我が家)、島太星(NORD)を擁した芸能人たちのことだ。
「剃るより、薄毛問題に立ち向かう人間のほうがセクシー」(田中)
個人的には嫌いじゃない。だが、このご時世にこれほどルッキズム丸出しの企画を放送するのは驚いた。番組内容も、「薄毛の人に役立つ情報を提供」というより「薄毛をネタに徹底的に笑いを提供」というベクトルだったのだ。
海原はるか・かなたの漫才は言うに及ばず、自らの薄毛で笑いを取りたがる芸人は今も多い。江頭2:50は自身のYouTubeチャンネルで「薄毛治療薬を飲んだら、頭は無反応で腕毛だけゴリラみたいになった」と告白していたし、アンガ田中は「ハゲは話題にしてもらっていいが、白髪をイジられたら殺す」と公言している。
一方、薄毛の人に対し「いっそのこと剃ったほうがいいんじゃないか?」という指摘はありがちだ。そっちのほうが潔い気がするし、スキンヘッドにしてカッコよさが増した人さえいる。
「じゃあ、家燃えてて消してる人に『おい、全部燃やしてまえや』って、そんなふうに言いますか? 一生懸命、消火活動してる人間に。それと一緒なんですよ」(小杉)
謎に説得力のある例えだ。抗う自分たちの邪魔をしてくれるなという主張である。ここで例に挙げたいのは、バイきんぐの小峠英二の存在。20代という早い時期にスキンヘッドにした彼は、今や“隠れモテ芸人”としての一面を持つ。薄毛オールスターズの持論「逆に剃るほうが後ろ向き」と対をなす人物とも言える。アンガ田中が怒髪天を衝いた。
「あれ(小峠)は、俺は絶対許せなくて。こんなの、ただのハゲから逃げてるクソ人間ですから。本当のセクシーな人間って、自分が受けた問題に立ち向かってる人でしょ!? 小杉さんは問題にちゃんと向き合ってるし、どっちがセクシーかって言ったら、もう答え出てますよね? 小杉さんでしょ」(田中)
「ハゲから逃げてるクソ人間」というのも、またひどい言いようだ。怒れる田中による、謎の小峠叩き。しかし、AERA.dotのインタビューで「スキンヘッドは“逃げのハゲ”で、トレンディエンジェルの斎藤(司)は“攻めのハゲ”です」と、小峠自身が田中の主張を認めていたりもする。奥の深い美学だ。
では、“攻めのハゲ”の小杉は薄毛問題にどう立ち向かっているのだろう? 彼は多くの芸人が御用達にする美容院「forest」(目黒区)に通い、同店のスタイリストとともに今のヘアスタイルを考案したらしい。
「吉本中の薄毛を切ってる美容師がいるんですよ。原西(孝幸)さんの前髪パッツンを考えた美容師さんなんですけど、その人と二人三脚で考えて。前髪のバランスと横髪のバランスで3枚の扇を立てる、ヘーベルハウスみたいな感じに」(小杉)
小杉の髪型は、今残っている毛でいかに薄毛をカモフラージュするかを徹底的に追求したヘアだ。創意工夫と共に、スタイリストの腕があって初めて成立する形である。“レジェンド薄毛”と呼ばれるはるか師匠は、もっとすごい。
はるか 「僕はカットだけで1万1,000円ですからね」
さんま 「これはすごい技術いるからな」
小杉 「確かに、盆栽と一緒で『ここ切ったら終わり』みたいな箇所がありそうですもんね(笑)」
工夫のみにとどまらず、アイテムに頼る選択肢だってある。薄毛対策として人気を博すのは、通称“黒い粉”こと「CAX」だ。23歳にして薄毛に悩む島はCAXが手放せないらしい。
島 「僕、黒い粉を持ち歩いてるんです。今日もふりかけようと思って持ってきたんですけど、振っても振っても出てこなくて、中に粉入ってなくて、今日ずっと手震えてるんです。粉がないとダメなんです!」
さんま 「お前、粉中毒か!」
会話だけ聞いてると、ヤク中の集会としか思えないやり取りである。“白い粉”ならぬ“黒い粉”に依存するアイドル。まさに、大人のふりかけだ。
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