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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > ガリットチュウ、なぜ芸人は痛風に?医師直撃
「痛風日記」ガリットチュウ福島の医師直撃インタビュー!

なぜ、芸人は「痛風」になりやすいのか──その生き様と痛風の根深~い関係

なぜ、芸人は「痛風」になりやすいのか──その生き様と痛風の根深~い関係の画像1
(左)ガリットチュウ・福島善成 &(右)泌尿器科医・窪田徹矢先生(撮影=二瓶彩、以下同)

 昨今のお笑い界では、岡野陽一や鈴木もぐら(空気階段)、山添寛(相席スタート)といった「クズ芸人」勢の活躍が目覚ましいが、ひそかにこんな勢力も台頭しているのはご存じか?

 名付けて、「痛風芸人」────。かまいたちの濱家隆一や、錦鯉の渡辺隆、陣内智則、マテンロウのアントニー、霜降り明星のせいや(疑惑)など、数々の芸人たちが痛風の痛みに襲われているのだ。

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痛風に悩まれしガリットチュウ・福島善成

 ガリットチュウ・福島善成もそのひとりである。福島がInstagram(@fukushimayoshinari)で更新している「痛風日記」は“痛風持ち”ならずとも必見だ。蚊が頭上を飛んでいるのに痛風で動けず、血を吸われ放題だった夏の一夜。痛み止めの座薬を尻に入れ損ね、足を引きずって座薬を洗いに行ったあの夏の日────。そんな“痛風持ち”の悲哀をイラストで発信する珍連載は、好事家の間で好評だ。

 しかし、本人にとってはたまったものではない。そこで今回は福島と、泌尿器科医で「くぼたクリニック松戸五香」(千葉県松戸市)院長の窪田徹矢先生による対談をセッティングした。福島がインタビュアーとして、痛風にまつわる疑問を窪田先生にぶつけるのだ。

「痛風芸人」の旗手と現役医師によるセッションの幕が上がる。

★記事の最後に、特別ふろく「痛風撃退ステッカー」が付いています★

取材=福島善成(ガリットチュウ)、文・構成=寺西ジャジューカ

「ハイボールなら20杯」ガリチュウ福島、痛風との出会い

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「バナナ先生」なるキャラで泌尿器科医としてYouTube活動を行っている窪田先生
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テリーマンに扮してきた福島もこの表情


ガリットチュウ・福島善成(以下、福島)
:先生もボケてるじゃないですか。キャラが渋滞してませんか? 先生、まず痛風ってどういう病気か簡単にご説明いただいてよろしいでしょうか?

窪田徹矢先生(以下、窪田):痛風は血液の中の尿酸値がどんどん上がることによって漏れ出て、それが悪さをして痛くなる発作を起こした状態です。風が吹くだけで痛くなるから「痛風」と名付けられました。その痛みは……福島さんもご存じですよね?

福島:先生、僕なんか痛みMAXのときは無風でも痛いです! ビクってくると「うわぁーーーー!」って一日中脂汗がダラダラ出て、パンパンに腫れてゾウみたいな足になるんです。ヒドいと半年間くらい足を引きずっちゃってて。痛風でお酒をやめてるときほど飲みたくなるじゃないですか。「もういいかな、もういいかな?」って迷いながら飲むと「ダメだった~(泣)」みたいな。それで、また足を引きずって。

窪田:発作が出そうなときって、だいたいわかりますよね?

福島:ムズムズしてきます。アルコールと焼肉のときになりやすいような気がする。僕が痛くなる場所は足首なんですよ。これって“痛風あるある”だと思うんですけど、痛みが出たら「捻挫かな?」と思ってとりあえず整形外科に行くんです。そこでレントゲンを撮ってもらうと、お医者さんに「そんなに痛くなるかなあ? ちょっと尿検査しよう」って。そこで、痛風が判明しました。でも、足の親指に痛みが出るっていう痛風芸人も多いんですよね。なんで人それぞれ違うんですか?

窪田:指、関節、あと肘に出る方もいらっしゃいますよね。人によって痛むところが違う理由は、実はまだよくわかってないんです。多いのは足の親指ですね。

福島:だんだん石みたいに硬くなってくじゃないですか。

窪田:それは痛風結節(尿酸の結晶が関節以外の皮膚の下に溜まってできるかたまり)です。硬くなっちゃうと、めちゃめちゃ痛いですよ~。

福島:僕、くるぶしが石みたいになってめっちゃくちゃ痛いんです! 痛風芸人の大先輩にCOWCOWの善しさんがいて、「痛風のことならなんでも俺に聞け」とか言ってるんですけど、善しさんの足も完全に石でした。

窪田:それはもう……長年の蓄積ですね。発作が何回も起きると痛みが増してくるんです。1回目はそうでもなかったとしても、2回目3回目には耐えられなくなってくる。福島さんは今、お薬は飲んでますか?

福島:漢方は試してるんですけど、今は薬は飲んでないんです。芸人の間では「薬を飲んだら逆に出るからヤバい」なんて話も出てます。

窪田:発作が起きているとき、薬を飲むと逆に出ちゃうんです。ザイロリック(尿酸降下薬)とかを飲むとボーンと一気に数値が下がるので。尿酸値が増えたり減ったりの増減差で発作が出る方もいらっしゃいます。

福島:僕は、ワカメを食べるようにしています。

窪田:ワカメはプリン体を排出しやすくなりますね。(頭を指しながら)ここにあるバナナも痛風にはいいです(笑)。カリウムが含まれていて、尿の排泄作用がありますから。痛風にいい食べものといったら、海藻と豆腐と野菜。あと、とにかく水分をよく摂っていただくのが大事です。

福島:僕、刺し身が好きなんです。あと、イワシとかめっちゃ食ってます。

窪田:尿酸を上げる原因になる肉・魚、つまり動物性のものがよくないし、生系もよくない。一番マズいのは干物です。あと、内臓ね。イワシの内臓はプリン体がすご~く多いですよ。

福島:アルコールと痛風についてはどんな感じですか? そもそも、僕はビールで痛風になっちゃって。ある日、走る仕事があって、ダッシュしてたら足が“パキッ”って鳴ったんです。「ヤベえ~痛てえなあ」と思ったけど、その後の飲み会でビールをめちゃくちゃ飲んじゃった。その帰りに1時間ぐらい電車に乗ってたら、足首がパンパンに腫れ上がって歩けないほどの激痛が襲ってきて……。でも、どうしてもビールを飲みたい日だってあるんです!!

窪田:う~ん、できればビールと同じだけ水を一緒に飲むか、ハイボールをかなり薄~くして飲むとか。ビールだけだと尿酸値の上昇が急なんです。

福島:でも、飲みの席のノリってあるじゃないですか。「お冷もください」って頼むと「お前、水飲んでんの~?」「だっせぇ~!」みたいな。僕、水飲みづらいですもん。あの謎文化はなくしたいですよねえ。

窪田:痛風になりたくなければ、こそっと水を飲んでください。

福島:そもそも僕、最近はそんなに飲みは行ってないんですけど、いったん飲んだらちょっとスゴくて。ハイボールは20杯飲むし。

窪田:20杯(笑)。

福島:痛風のことを忘れちゃうんです。人間って忘れる生きものなんです。「あ~、やばいなあ。大丈夫かなあ?」「でも楽しいから飲んじゃえ」「やっぱりダメだった~」って感じで。逆に言うと、「俺、明日死ぬかもしれない」って思ってる奴は、別に飲んでもいいってことですよね?

窪田:そうですね(苦笑)。芸人さんはお酒の飲み方もハンパじゃないでしょうから、痛風の方が多いのも正直わかります。

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