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日刊サイゾー トップ > 連載・コラム  > 「水ダウ」若手解散ドッキリへの世間の批判

「水ダウ」若手解散ドッキリへの世間の批判と芸人の思いの違い 鬼越坂井、涙のワケ

ネタバラシのあとに垣間見えた“コンビをつなぐもの”

 解散が決まった後の会話はこうだ。

がまの助「申し訳ないけど。ありがとう今まで」
竹内「うん」
がまの助「ちょっとしんどかったわ」
竹内「うん」
がまの助「それでいい?もう解散で」
竹内「別にそっちが解散でいいなら、俺は別に解散する」
がまの助「じゃあ解散で」
竹内「うん」
(中略)
がまの助「ナメてる?俺の事やっぱ」
竹内「まあナメてるっていうか、もう嫌いだから」
がまの助「そうか」

 このやり取りを受けてネット上では「竹内ズ仲悪すぎて笑えな」「これマジもんじゃない? 本当に亀裂がはいるよ」など、コンビ2人の行く末を心配する書き込みが多数寄せられていたらしい。

 確かにこのやり取りを受けるとそう思うのもわかる。

 しかしこの後のやり取りを見ると、僕は本当に仲が悪いとは思えなかった。嫌いと言われたがまの助さんが

がまの助「俺がまず直すからじゃあ分かった。竹内君も直してほしい」
竹内「えっ何を? なんの話してんの?解散はするんじゃないの? だって」
がまの助「……うん」
竹内「だって今こんな話してもしょうがなくない?」
がまの助「……」
竹内「なんで続ける方の話になってんの?(少し怒り気味に)その解散するって言ったのにさ、この話してもしょうがなくない? そもそも」

 ここで岡野さんが部屋に向かいネタばらしをする。

 あまりにもリアルな2人の空気に岡野さんが「これは実際解散では無いよね?」と聞くと、仕掛け人のがまの助さんが「は……はい」となんとも歯切れの悪い返事をする。それに対して竹内さんが少し笑顔になりながら「結局解散じゃないって事?」とがまの助さんに聞く。すると「解散ではない」と断言。それを受けて「こっちがそうじゃないっていうなら大丈夫です」と竹内さん。

 僕はこのやり取りを見て、2人とも本当は解散したくないというのがひしひしと伝わってきた。解散と言われたときの怒りの表情。ドッキリだとわかったときの笑顔。どこをどうみたら「仲が悪くて笑えない」という言葉が出てくるのだろうか。仲良くしたくてたまらないと言ってるようなもんじゃないか。

 バビロンも竹内ズも“こいつとならやっていける”と思ってコンビを組んだはず。夫婦じゃないけど倦怠期もあれば停滞期もある。それを踏まえて踏ん張ってやるしかないのである。だから喧嘩もすれば、話したくない時期だってある。それがコンビでありトリオであり相方なのだ。周りにはどう見えてるとしてもコンビ間でしかわからない絆は必ずあるのだ。

 この企画は物議を醸すような企画ではなく、コンビ間の膿が出た良い企画だったと思う。これを機に参加した4組は必ず良い方向へいくはずだ。

 そしてもうひとつ思うことは、推薦した先輩芸人は、参加した後輩芸人を愛し、仲良くしてほしいと心から思っているに違いない。

 鬼越トマホークの坂井さんの涙がそれを物語っている。

 芸人の世界はスクールウォーズさながら、ずっと青春真っ只中だ。

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2022/02/02 20:00
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