『ザ・ノンフィクション』衝撃の婚活回を男性ライターが見たら震えるしかなかった
#ザ・ノンフィクション
生活のための共働きではなく、宝塚を見るためにバイトを決意
後日、ミナミさんは植草代表の元を訪れた。彼女が今回持参したのは、町田さんとの結婚後を想定したシミュレーション表だった。
町田さんの毎日はハードだ。月8回の夜勤がある上に、早朝と日勤終わりにはチラシ配りのアルバイトもこなしている。働き者なのはいいが、彼との結婚は苦労が目に見えている。だから、ミナミさんも家計を助けるべく働きに出る決意らしい。ミナミさんが用意したシミュレーション表には、こう書いてあった。
「週3回働くのを想定」
「週1回 10:00~15:00として」
週3で1日5時間のアルバイトをする想定のミナミさん。その根拠がわからない。町田さんと結婚するなら週5勤務にする必要があるし、百歩譲って週3ならばフルタイムじゃないとキツい。というか、アルバイトじゃなく社員として働きなよ! 植草代表からもダメ出しが入った。
植草 「アルバイトのある日は2人で7時に起きます。でも、彼はこの時間はいないわけよ。夜勤明けだからいないわけじゃない。これでお子さんができたら朝ごはんを食べさせて、お昼寝するときのシーツとかタオルとかを自分で担いで、自転車に自分が乗って保育園に連れてくの」
ミナミ 「1人でやるんですか、それ?」
植草 「だっていないじゃん彼、朝」
ちなみに彼女が想定する週3×5hを1カ月に換算すると、収入は5万7,360円になる。
植草 「この使い道は何?」
ミナミ 「それは宝塚とか、絵を描く画用紙とか」
植草 「つまり、これは自分のお小遣いなんだ」
ミナミ 「そうですね(笑)」
ミナミさんの書き込みをかき消すように植草代表が上書きした「ということは夫の収入に頼る」の文字が重い。てっきり生活のための共働きかと思いきや、宝塚と画用紙のためというお花畑プラン。子どもじゃないんだから。手取り13万円で今の生活レベルが保てている理由は実家暮らしだから、という現実が彼女は理解できていない。
植草 「自分の家族を作るときに、今の仕事のビジョンはどうなるの?」
ミナミ 「今の仕事は、結婚を機にできれば辞めたい」
植草 「辞めたらアルバイトに行く? 行きたくない?」
ミナミ 「あんまり行きたくないです」
次回の町田さんとのデートでは、「専業主婦になりたい」という意志を必ず伝えると、ミナミさんは植草代表に約束した。
「擦り切れた座布団」が理由で終わった恋
町田さんとのデートの日がついにやって来た。デート後、スタッフは話を聞くためにミナミさんと待ち合わせた。すると、ミナミさんのテンションがおかしいのだ。
ミナミ 「次のデートで(町田さんに)お家に誘われちゃって、『お家で料理しよう』ってなって、すごい楽しくなっちゃって。いやぁ~、楽しくなっちゃって(笑)」
――お金の話は?
ミナミ 「ちょっとして。でも、そしたら私がパートでもアルバイトでも『やっていけるよ』って。『住む場所とか生活費とか食費とか節約していけばやっていけるよ』って。もう、『僕は君を真剣に考えているよ』って言われて、その気になっちゃって、なんかもう(笑)。腰に手を回されて『まだ帰りたくない』とか『もう帰っちゃうの?』とか。そりゃ、ニヤけるって!」
「家に誘われた」「腰に手を回された」「『もう帰っちゃうの?』と言われた」と、危険なフラグが立ちまくっているのに、逆にワクワクしちゃうミナミさん。完全に舞い上がっており、判断力を失っている。若い頃の恋愛経験は大事と、彼女を見ると改めて痛感する。
お家デート翌日、例によってミナミさんから植草代表に長文のメールが届いた。「交際を終了したい」という旨の連絡だった。
植草 「1番大きい理由は何?」
ミナミ 「やっぱり、私の希望が叶わないなと思ったから。例えば、座布団にしてもすごい擦り切れた座布団を使ってて。もう、中の白い綿が丸見えで。電球とか替えたほうがいいのに替えてなくって。日中も薄暗い中で節電で、電気もつけないでご飯食べてて」
数日前まで大好きだった男をディスりまくるミナミさん。そんな、まくしたてなくても。座布団の指摘から始まる辺り、やはり彼女は期待を裏切らない。自分の部屋も大概なのに、座布団で終わった恋。ときめいていても、貧乏はやっぱり嫌だった。
「DVDとか車とか、お相手が好きなものとか興味があるものには結構お金をかけてるような感じで、1個1個おかしいなと思ったら全部違うように見えてきちゃって」
「専業主婦が叶わないし、パートになったとしてもものすごい節約しないと。たぶん、電気代とかもいちいち言われて。そこまでして車検とか保険にかける必要あるのかなって。それは違うんじゃないかな。そこまでの節約を私はしたくないし」(ミナミさん)
独身なのだから、趣味にお金をかけていてもいいだろう。男性の趣味を否定しながら、自分の宝塚観劇はやめるつもりがないのもツッコミどころだ。ブーメラン。あと、現実問題として車検と保険は節約できる類のものではない。
というわけで、町田さんとの交際は中断となった。
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