「ノンスタは女子中高生から人気」の妙 ニューヨークは「文春」読者から支持?
#テレビ日記
テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(1月23~29日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします。
平成ノブシコブシ・徳井「NON STYLEのいい広告になってる」
NON STYLEは女子中高生に人気がある。これは『水曜日のダウンタウン』(TBS系)で繰り返し実証されている命題だ。が、なぜ人気があるのか。理由はそんなにはっきりしていない。
それもそのはず、NON STYLE自身も人気の理由をつかんでいないようだ。25日の『徹子の部屋』(テレビ朝日系)にNON STYLEがゲスト出演した際、黒柳徹子が「(女子中高生に人気がある)理由はなんだと思いますか?」と尋ねる場面があった。が、石田明が「それがわかんないんですよ」と答えるなど、2人とも首を傾げていた。もちろん、人気の理由を自分から答えるのは品がない、という判断もあるだろうが。
なお、井上裕介が「徹子さんから見て、女子中高生から人気あるように見えないでしょ?」と問いかけた際の黒柳の反応は「……ちょっとわかんない(笑)」。苦笑いである。
そんなNON STYLE人気の検証が、26日の『水曜日のダウンタウン』で改めて行われていた。題して「女子中高生の人気芸人ランキング、なんぼなんでもNON STYLEもうランク外説」である。女子中高生に街頭インタビューし、人気芸人ランキングを作成。そこにNON STYLEが入っているかを確かめる企画だ。2014年に初めて取り上げられたこの説は、今回で5度目の検証となる。
これまでのNON STYLEの順位を振り返ると、2014年:1位、2017年:2位、2019年:2位、2021年:5位だ。徐々に順位をさげているとはいえ、上位に食い込み続けている。
最新の調査結果はどうなったのか。番組調べによると、NON STYLEは4位。変わらず上位をキープした。なお、1位は千鳥、2位はサンドウィッチマン、3位はチョコレートプラネット、5位はかまいたちである。今回は男子中高生にも調査が実施されたが、そちらの1位はサンドウィッチマン、2位は千鳥、3位は霜降り明星、4位はダウンタウン、5位はかまいたちで、NON STYLEは6位だった。ノンスタ、男子にも根強い人気。
では、NON STYLEの人気の理由は何か。番組がインタビューしていた中高生のコメントからは、いくつかのヒントが得られる。まず、「ネタが面白い」との声。彼らのYouTubeチャンネルに投稿された動画は漫才が多数を占めるが、再生回数は軒並み数十万回。100万回を超えるものも多い。もちろん再生回数だけからは視聴者の層はわからない。が、女子高校生からは「NON STYLEさんはいつ見ても面白い。何度見ても同じネタをループできる」との声も聞かれた。ノンスタの漫才が面白いのは確かだが、その面白さは少なくない中高生にちゃんと届いているのかもしれない。
また、『エンタの神様』(日本テレビ系)で見た、という声も。他の芸人に対するコメントでも『エンタ』の名前は繰り返し出ていた。『エンタ』への言及が目立つのは、『水曜日』が特にそういう声をピックアップした面もあるかもしれない。が、そうだったとしても、現在レギュラー放送されていない番組の名前が若い世代からそれなりに挙がってくるのは興味深い。
なぜだろう。高校生だったら幼少期の記憶が残っているのかもしれない。幼少期の印象は強いのかもしれない。各局で不定期に放送されているいろいろなネタ番組がすべて『エンタ』と総称されている可能性を疑ったりもするが――いや、ちゃんとベタに今でも『エンタ』の不定期特番が見られているのだろうか。
AbemaTVの恋愛リアリティ番組『今日、好きになりました。』に井上がレギュラー出演していることも理由に挙げられていた。スタジオゲストの齊藤なぎさ(=LOVE)によると、同番組は「全員見てます、女子中高生」とのこと。「全員」は言い過ぎにしても、女子中高生を中心に人気があるのは確かなのだろう。
となると、女子中高生に人気があるNON STYLEの井上が、女子中高生に人気がある番組に起用されている、ということになる。『水曜日』の調査で「NON STYLEは女子中高生に人気がある」と立証されたことが、女子中高生に訴求する番組に彼らが起用される理由になって、さらに『水曜日』で女子中高生人気が立証されて……という人気の再生産のループに入っているのかもしれない。
説のプレゼンターである徳井健太(平成ノブシコブシ)は、今回の結果を見て「NON STYLEのいい広告になってる」と言った。ランキングは一種の広告でもある。なんだか本質を突いたコメントだったように思う。
さて、今回もまた「NON STYLEは女子中高生に人気がある」という命題は立証された。だが、それはなぜかを考え始めると、理由はなかなか絞りにくい。議論を前に進めるためにエビデンスを確定すると、「エビデンスのエビデンスは……」とさらに深みにハマっていってしまう。そんな「あるある」な状況を思い起こさせる。
とりあえず、若い世代の『エンタ』の人気を立証するさらなる根拠がほしい。中高生の間での白石美帆の知名度調査の結果を見たい。
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