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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『ゴシップ』ネットニュース編集長は名探偵?
ネットニュース編集者・中川淳一郎が総ツッコミレビュー!#3

『ゴシップ』4話、編集長は名探偵? ネットニュースのタイトルには命をかけろ

ネットニュースのタイトルは命懸けだ! オレ様を参考にしろ!

 これまでかなりこのドラマに対しては好意的に分析してきたが、このままの展開が続くとどこかで「アホか!」と言うしかなくなるかもしれない。第4話の消えたYouTuberの件については、もはや編集者の仕事ではなく「探偵」「警察」の仕事になっている。スクープの証拠となる髪の毛を見つけ、それをベースとして記事を出す。どう考えても、ここまで編集者はやらない。このドラマを作っているスタッフは刑事ドラマや医療ドラマの経験が長いのか?

 私がずっとかかわってきた業界であるネットニュースを舞台にしているだけに、これまでは好意的に見てきたが、今回の黒木の「探偵っぷり」については、もう、これは看過できないレベルである。

 さらに、今回もドラマ中で登場した記事のタイトルが相変わらず私だったら「アホ!」と自分で直すレベルである。私は部下から来たタイトルに対して「直せ!」とは一切言わない。ネットニュースの世界では、時間がないのでいちいち部下に直させ、再度私に見せるようなことはあり得ない。ただ、受け取り、こちらで淡々と直し、後は「お前が学べ」で終りだ。そして、今回のタイトルはコレだ。

<ユーチューバー「カマドウマ」あの世から生還!?即逮捕!その一部始終>

 このタイトル、20点だ! オレ様のタイトルを参考にしろ! スタッフめ。まず、「ユーチューバー」なんて古臭い。「YouTuber」にしろ。あと「!?」もバカの象徴。以下を見ろ。

<失踪YouTuberカマドウマは生きていたが即逮捕、その卑劣愚行の数々>

 これについては「卑劣愚行」というタイトルがツイッターのトレンド入りを目指している。これはタイトルに命をかけるオレなりの熟考である。ドラマの制作スタッフはもっとまじめにタイトルを考えろ! せっかく黒木華が取ってきたスクープをチンケなタイトルにするんじゃねぇ!

 あと、まったくやる気のない新入社員・一本真琴(石井杏奈)が心配のあまり編集部員とともにこの豪邸に来るシーンがあるが、これは今後、真琴が大活躍する予兆を見せる。人間の成長ドラマとして、これからが楽しみである。

中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

1973年立川市出身。1997年博報堂入社、2001年無職になりフリーライターになり、雑誌『テレビブロス』のフリー編集者に同年末になる。2006年からネットニュースの仕事を開始。毎月800本ほどの記事を編集する人生に疲れ、2020年8月31日にセミリタイアし、佐賀県唐津市へ。著書は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『炎上するバカさせるバカ 負のネット炎上史』(小学館新書)等。

Twitter:@unkotaberuno

なかがわじゅんいちろう

最終更新:2022/02/24 18:05
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