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筒香嘉智、岡崎慎司が巨額自腹でグラウンド建設! 地域還元がアスリートの常識に?

筒香嘉智、岡崎慎司が巨額自腹でグラウンド建設! 地域還元がアスリートの常識に?の画像1
(左)筒香嘉智、(右)岡崎慎司(Getty Images)

 スポーツ界から気持ちのよいニュースが飛び込んできた。大リーグ・パイレーツの筒香嘉智が、故郷の和歌山に球場を建設。2億円にも上る総工費はポケットマネーで支払うという。一方、サッカー界では、元日本代表の岡崎慎司(カルタヘナ)が地元・神戸にサッカーグラウンドを建設中。トップアスリートの取り組みが注目を集めている。

 筒香が球場を作ったのは和歌山県・橋本市。現在、天然芝の球場を建設中で、室内練習場、小体育館などを併設し、スポーツアカデミーも創設して、広く普及に努める。

 岡崎が中心となって整備中のグラウンドは、神戸市西区に3月下旬完成予定。長らく海外でプレーする岡崎は、サッカーが文化として根付いた光景に憧れてグラウンド建設を思い立ち、グラウンドの他にも産直スペースなどが設けられる予定だという。

「日本では寄付や慈善活動は、まだまだ奇特な目で見られがちですが、欧米のトップアスリートはチャリティを行うのが当たり前。税金対策という側面もありますが、収入の1割前後を寄付するのが常識です。アメリカの4大スポーツ(NBA、NFL、MLB、NHL)の選手たちは、試合前に小学校を訪れて読み聞かせをしたり、故郷に学校を作ったり、個人で奨学制度を創設して若者をサポートしたりと、さまざまな形で社会貢献をしており、アスリートが尊敬を集める一因となっています」(フリーのスポーツ記者)

 アメリカのアスリートの収入はケタ外れ。4大スポーツの超一流選手ともなると、年俸だけで30億円、40億円にも上る。日本とはケタが1つ違うが、我が国でもスポーツ文化の普及や育成に奮闘するアスリートはいる。

「野茂英雄(近鉄、ドジャースほか)は、まだ現役だった頃に社会人野球のクラブチームを創設。チームからはプロ選手が何人も誕生し、まいた種が見事に花開きました。サッカー元日本代表の『野人』こと岡野雅行は現在、J3のガイナーレ鳥取のGM。チーム運営や強化、営業まで、鳥取に腰を据えて奮闘しています。本格的にのめり込んでいるのは、ヤクルトや大リーグで活躍した岩村明憲です。独立リーグの福島のチームに選手兼監督で入団した岩村ですが、なんと社長が夜逃げ。残された負債は岩村が肩代わりしたそうです」(週刊誌スポーツ担当記者)

 いくら一般人より遥かに多くの収入があったとはいえ、自分が世話になった競技のため、金と時間と労力を割くのはなかなか出来ない行為だ。こういった善意の輪が広がることを期待したいが、国内外のスポーツを広く見てきたフリーのスポーツジャーナリストは、日本でチャリティが根付くにはまだまだ時間がかかると指摘する。

「慈善活動に関する理解が浅い日本では、偽善や好感度を上げるためにやっている、といった見方をする人が残念ながら多い。『何か裏の目的があるのでは?』と陰口を叩かれたり、酷い例では、ある野球選手がチームメイトから面と向かって『いい顔しやがって』と言われた話しも聞いたことがあります。

 日本は少子化や不景気、さらにコロナに伴う閉塞的な状況で、少年スポーツは本格的な危機状態にあり、今でこそトップアスリートの社会貢献が求められています。そのためには、チャリティをやりやすい雰囲気を醸成することが急務でしょう」(スポーツジャーナリスト)

 筒香や岡崎に続くアスリートが現れるかどうか、我々も試されているようだ。

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2022/01/27 07:00
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