ゴールデングローブ賞、受賞は逃したけど「最高!」なノミネート作品3選
#映画 #ゴールデングローブ賞
自分の夢と家族の将来を天秤に『Coda コーダ あいのうた』
【ストーリー】
豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で1人だけ耳が聞こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし……。
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今作は、2014年に公開されたフランス映画『エール!』のリメイクである。大まかな設定、前半の展開やセリフは、オリジナル版に沿ったものになっているが、異なる点も多い。
例えば、オリジナル版では、家族が農場を経営している設定だったが、今作ではそれが漁師になっている。漁の場合は、健聴者を同乗させなければならないという決まりがあるため、家族のルビーへの依存度が増している。
それと同時に、家族の中でひとりだけ健聴者であることに疎外感を感じていたルビーは、一緒に漁をすることで、絆でつながっていられると信じていた。そのため、自分の夢を選択することは、家族と切り離されてしまうような思いにもかられるのだ。ルビーが自分の夢と、家族の将来を常に天秤にかけるような葛藤が色濃く描かれている。
オリジナル版ではほとんどなかった恋愛要素や、音楽の先生にコメディ要素が足されていたりと、いい意味でポップなテイストにもなっている。
ルビーが歌の才能に目覚めていく喜びと、一番歌声を聴いてほしい家族にそれが伝わらない切なさ、もどかしさが、観る者の胸にも交互に押し寄せる。ルビーの歌は、“音”としては伝わらないかもしれない。でも、歌に込めた“想い”が伝わるシーンは、感動すること間違いなし!
『Coda コーダ あいのうた』
★1/21(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中
監督・脚本:シアン・ヘダー
出演:エミリア・ジョーンズ「ロック&キー」、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ『シング・ストリート』、マーリー・マトリン『愛は静けさの中に』、トロイ・コッツアー
(C) 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
公式SNS:@coda202201
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