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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『関ジャム』2021年は良曲多し?

『関ジャム』音楽P年間ベスト10後半戦 ヒゲダン、『大豆田』、宇多田…良曲多し?

ここ20年、ずっと宇多田ヒカルのターンだった

 藤井風の楽曲アレンジも務める音楽プロデューサー・Yaffleが選んだ1~4位は以下だ。

1位:宇多田ヒカル「One Last Kiss」
2位:A_o「BLUE SOULS」
3位:Awich「GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR」
4位:STUTS&松たか子 with 3exes「Presence Remix (feat. T-Pablow, Daichi Yamamoto, NENE, BIM, KID FRESINO)」

 Yaffleがやっとメジャーな曲を選んだ! 4位はドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)主題歌の「Presence」である。5人のラッパーのリレーが完璧だし、他のバージョンも聴き応えは十分。俳優陣のラップが意外に上手いのも嬉しい驚きだった。

 そして、3位はAwichの「GILA GILA feat. JP THE WAVY, YZERR」だ。昨年のAwichといえば個人的に「口に出して」をよく聴いていたし、話題にもなった。「本当はそっちを選びたかったのに、テレビ的にNGだったか?」なんて勘繰りも入れたくなったが、恐らくそうではないだろう。

 2位はアイナ・ジ・エンド(BiSH)と三船雅也(ROTH BART BARON)によるユニットA_oで、ポカリスエットCMソングにもなった「BLUE SOULS」である。Yaffleはこの曲を以下のように評価する。

「現代っぽい音色のアプローチではなく、声の使い方だけで斬新な演出。2人の声のバランスが非常に良く、ピッチ感が作り出す多声感が素晴らしい」(Yaffle)

 2人なのにまるで大勢いるように聴こえる声こそ、この曲のポイント。まるで合唱に聴こえるこの手のアレンジが今は流行っている気もするが、「声色のズレ方が淡く広がっていき、今まで聴いたことのないような声の重ね方だった」とYaffleは評価している。

 そして、宇多田ヒカル「One Last Kiss」である。ここに来て超有名どころ、ガチガチの1位を持ってきたYaffle。『シン・エヴァンゲリオン劇場版』のテーマソングにもなった曲だ。

「完璧な曲。セカンドバース頭のベースにびっくりさせられた。1番フック(サビ)の終わりにサブベースが鳴っているような流れなのに本当は鳴っていない、斬新」(Yaffle)

 アレンジャーであるYaffleだけに評価のポイントが宇多田のそれと言うより編曲の妙な気もするが、何にせよ納得の選曲である。音楽プロデューサー・蔦谷好位置はしみじみ「凄いな、宇多田さんって。本当、ずっといますもんね」とコメントしたが、同感だ。新しい音楽がこんなにドンドン出てきているのに、ここ20年はずっと彼女のターンだった。彼女こそ、今のJ-POPのトップランナーである。

 特に注目したいのは、この曲のMVだ。まるで宇多田とデートしているかのような映像なのだが、実は撮影者は彼女の息子さんらしい。そう考えると、宇多田の自然な笑顔にも納得だ。ちなみに、編集を担当したのは『シン・エヴァンゲリオン劇場版』監督の庵野秀明。宇多田を完全に“女”として見ていたであろう庵野の仕事も素晴らしかった。

 筆者は「君に夢中」を年間ランキングに入れたが、もちろん「One Last Kiss」も好きだ。かつてのようにゴリゴリのR&Bを歌わなくなった宇多田は、歳を重ねるごとに温かい雰囲気の曲が増えていった。ヒットメーカーの道を自ら拒否し、悠々に生きる現在のスタンスは凄くいい。2月発売予定のニューアルバムも楽しみである。

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