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60代でも若手…

若者から不人気の消防団員、減少に歯止めかからず1年で1万3000人減の深刻さ

若者から不人気の消防団員、減少に歯止めかからず1年で1万3000人減の深刻さの画像1

 消防団員の減少に歯止めがかからない。消防団は自治体により認定されたボランティアのような存在だが、地域の消防・防災活動では重要な役割を担っている。

 消防庁は毎年4月1日現在の消防団の状況について発表しており、1月17日に21年度の「消防団の組織概要等に関する調査の結果について」を発表した。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01shoubo01_02000512.html

 それによると、消防団数は前年比1団減少し2198団、消防団員数は同1万3601人(1.7%)減少して80万4877人となった。消防庁では消防団員数が大幅に減少している理由として
「新型コロナウイルス感染症の影響により、団員の新陳代謝が例年以上に少なく、入退団者数とも大幅に減少した」ことをあげている。

 女性団員数は同117人(0.4%)増加して2万7317人に、女性団員がいる消防団数は同17団増加して1668団に、学生団員数は同17人(0.3%)減少して 5387人 に、 学生団員がいる消防団数は同28団増加して668団に、機能別団員数は同3276人(12.6%)増加して2万9371人に、 機能別団員制度は同58市町村で増加して616市町村で導入済となった。

 以上が発表内容だが、消防団員数の減少は危機的な状況になりつつある。

 消防団員は50年代前半には200万人以上いた。しかし、1956年に200万人を割り込むとその後も減少は止まらず、1990年には100万人を、2007年には90万人を割り込んだ。

 5000以上あった消防団も1957年には5000を割り込み、1961年には4000を、2004年には3000を割り込んだ。

 直近10年間でも団員数は累計で約7万人減少し、消防団数も累計で36団が解散した。消防団数も累計36団が解散し、刻々と2000割れに近づいている状況だ。(表1以下、図表は総務省資料から筆者作成)

若者から不人気の消防団員、減少に歯止めかからず1年で1万3000人減の深刻さの画像2

 入団数と退団数の推移を見ると、恒常的に退団者数が入団者数を上回る状況が続いている。直近10年間では累計で56万3639人が退団したのに対して、入団数は48万3270人にとどまっている。

 累計で約1万人以上が退団し、退団者数の高止まり続いている半面、入団者数は年々減少している。特に、ここ3年は毎年、退団者数が入団者数を1万人以上上回る状態が続いている。(表2)

若者から不人気の消防団員、減少に歯止めかからず1年で1万3000人減の深刻さの画像3

 消防署が常設の消防機関であり、消防吏員(消防官・消防士)は消防学校を卒業した地方公務員であるのに対して、消防団員は普段は別の仕事をしている住民が消防活動を行う。

 しかしながら、特に地方の僻地・過疎地を中心に、消防署が設置されていない地域では、消防団は消防活動において重要で、中心的な役割を担ってきた。

 一方で消防団員の高齢化が進む半面、特に直近10年間では20歳代の入団者数が5割以上、30歳代が約4割減少するなど、若年層の入団者数減少が顕著となっている。

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