『不可避研究中』独身貴族・稲垣吾郎が伝える「結婚した方がいい?」へのメッセージ
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伝説の仲人からの提言「結婚しない幸せもある」
「伝説の仲人さんに聞く! 結婚の極意」というコーナーに登場したのは、1,267組の男女を成婚に導いてきた“伝説の仲人”・橋本きよみさんである。この人の仲の取り持ち方が特殊なのだ。
「結婚志願者が来られたとき、女性の場合だったら“年収の高い人”だとか“学歴のいい人”とか“ハンサム”がいいとか言うじゃないですか。そういうことは一切聞かない! 条件ありきで結婚を考えたら失敗するんですよ。条件のいい人が、いい人ではない」(橋本さん)
彼女のやり方は他の仲人と違うし、今流行りのマッチングアプリとも真逆だ。好みのタイプとはあえて異なる人を紹介するという手法。そうすると過剰な期待を持たずに異性と出会え、だからこそ相手の良いところが見えてうまくいく……という考え方らしい。いや、確かにそうかもしれないけど、なんか嫌だな……。だって、それはゴリ押しだから。この人に頼ると自分の意志と関係なく結婚する方向へ持っていかれそうで不安だ。
しかし、橋本さんがお世話した夫婦の中で離婚したのはたった5組。彼女のもとに駆け込むのは「結婚したい!」という熱を持った人ばかりである。その中でのゴリ押しなのだから、折れる人がいても不思議ではない。普通にお見合いが機能していた昔に遡ると、その傾向はより顕著となる。現代とは比べ物にならない同調圧力があったし、人権をないがしろにしたマッチングもあったとも聞く。この“伝説の仲人”は、そういった時代錯誤な価値観の持ち主なのか?
橋本 「どうなんですか。吾郎さんは結婚したいと思ってる?」
稲垣 「僕は結婚したいとは別に思ってないです。ただ、結婚っていうのも1つの形として、今後自分の人生であるのかなぁと思ってみたりとか」
このやり取りで橋本さんが口にしたのは、「結婚しない幸せもある」「結婚したから幸せじゃない」という意外な言葉だった。かつて、彼女のもとに1人の女性がやってきたが、いくらお見合いを重ねても「結婚したい」と思える男性とは出会えなかったという。その女性に、橋本さんは言った。
「あなたのように優れた人は社会でいくらでも役に立つんだから、1人の男性にこだわらないで。もっと多くの人を幸せにする力をあなたは持ってるから、結婚しない幸せだってあるよ。そっちの方で大きな幸せを味わう方が、あなたの人生は輝く」
「仲人」という肩書きからてっきりゴリゴリの結婚推進派だと思っていたが、違った。実は、それぞれの幸せを望んでいるタイプの人だった。さすが、伝説なだけはある。
「幸せを前提に結婚するから、不幸せになるんです。幸せっていうのは本人の感じる能力です。この人が幸せを感じる能力がなかったら、幸せじゃないんです」(橋本さん)
他人や社会の価値観に振り回されず、自分が幸せを感じる能力を磨くのが大事。結婚という制度のみ最重要視するのは本末転倒だ。結局は、自分の心のあり方ということか。
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