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『不可避研究中』独身貴族・稲垣吾郎が伝える「結婚した方がいい?」へのメッセージ

『不可避研究中』独身貴族・稲垣吾郎が伝える「結婚した方がいい?」へのメッセージの画像1
『不可避研究中』(NHK)

 生きていく上で避けられない“不可避”なテーマを独自の視点で研究するジャーナル番組『不可避研究中』(NHK)。1月14日放送回で取り扱ったテーマは「結婚ってした方がいいの?」であった。この番組のMCを務めるのが“独身貴族”の稲垣吾郎というのも、またフックである。

 綺麗事かもしれないが、結婚は“した方がいいもの”ではなく、結婚したいと思える人がいてはじめてするものである。ただ曲者なのは、「結婚したい」の感情が周囲からの「結婚した方がいい」という圧力で生まれているケースが多いという点だ。「結婚して子どもがいてこそ一人前」という空気は、令和になってもいまだある。「老後はどうするの?」という心配の皮を被った種類の圧力も存在する。

 もう1つ厄介なのは、この時代を生きる大多数の人が、結婚へ至るには「結婚」を目標に据え、そこに全力疾走しなければ困難な状況にあるという事実だ。お見合いが普通に機能し、外堀から埋められるケースの多かった昭和とはもう違う。もちろん、「結婚したい」の気持ちをまったく持たない人が増えた現実もある。

「SNSで結婚報告しないで!」という逆圧力

 まず最初に放映されたのは、27歳独身の女性ディレクターが制作したVTRだった。「何にも縛られず、まだまだ1人で自由に生きていたい」という気持ちの彼女。日々、「結婚を正義」とする圧力に苦しんでいるらしい。例えば、部屋の家具を購入した際。説明書を開くと、そこには「この家具は2人以上で組み立ててください」という記述があった。

「独身は家具も組み立ててはいけないのか……」

 さらに、このディレクターがつらがっているのはSNSからの結婚圧だ。「いい夫婦の日に結婚しました」などの報告ツイートを見ては「ケッ!」と吐き捨てる腐れテンション。思い余った彼女、報告ツイートの投稿主で友人でもある「こばりさん」に会いに行ってしまった。

ディレクター 「なんで結婚報告をSNSに上げたの?」
こばりさん  「あれはねえ……言いたい(笑)。やっとプロポーズしてもらったのが嬉しくて。皆さんからSNSでいっぱい報告をもらってたから、私も報告し返したいなと思って。言い方はアレだけど、やり返したいと思ってやってたかな(笑)」
ディレクター 「同じことをこばりもすることで、私も結構圧を受けたわけなんだけども」
こばりさん  「それはあるから、投稿の内容をカジュアルというか軽く伝えられればいいかなと思って、大げさすぎないようにはした」
ディレクター 「投稿はしようとは思ってたんだね」
こばりさん  「入籍しても投稿はしようと思ってるし、結婚式を挙げても投稿はしようと思ってる(笑)。ごめんね、圧をかけるかもしれないけど」

 どちらかというと、このディレクターの方から圧を感じた。彼女が当たり屋に見えてしまったのだ。SNSでの「結婚しました!」報告くらいは許してあげてほしい。幸せの絶頂だし、人生の一大イベントを投稿するのは普通のことである。「結婚圧を感じる」と言いながら、逆に結婚した人に対して圧をかけている構図。そんな、“繊細チンピラ”にならないでも……。

 ただ、こばりさんの方にも気になったところがあった。それは、「私も報告し返したい」という一言だ。なんか、変じゃないか? 他人は気にせず、自分が幸せを感じていたらいいのに。これこそが、循環する結婚圧の根源である。

 秀逸だったのは、このVTRを見た稲垣の感想だ。彼の言葉は1つのキーだった。

「圧を感じる、感じないっていうのは自分がそれ(結婚)を望んでいるからっていうのが前提にあるよね。僕は、圧はもともと感じたことがないから」(稲垣)

 彼の言う通りである。そもそも欲求がなければ、圧なんて感じようもない。では、なぜこのディレクターは欲求を抱くようになった?

稲垣     「ご両親とかはどう?」
ディレクター 「やっぱり、お正月とかも『仕事は頑張ってるみたいやけど、結婚はまだかね?』みたいな感じは(苦笑)」
稲垣     「言ってくるんだ、パパ」
ディレクター 「『パパもあと何年生きられるかわからんけんね』って(苦笑)」
稲垣     「そこまで言うと、それは圧だよ完全に!」

 このディレクターが周囲から圧を感じているのは、彼女自身が「結婚しなきゃダメ」の思想に捉われているから。そうさせたのは、親御さんからの圧のシャワーだ。圧から解放されたくて過剰反応してしまっている彼女。これは根深い。

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