『チコちゃんに叱られる!』山田ルイ53世「とうとうバレる」戦々恐々とする秘密
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外国人とボディビルダーは平熱が37度以上。コロナ禍で弊害は……?
この日、2つ目のテーマは「なんで平熱は36度ぐらいなの?」という疑問であった。いや、なんでって言われても……。
ただ、37度を超えると入店を拒否されることもあるこのご時世だ。阿佐ヶ谷姉妹の美穂さんが仕事前に2時間半の半身浴をし、そのせいでラジオ局入口で37度以上の体温をマークしたため、レギュラーである『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送)に出演できなかったというトホホなエピソードも過去にはあった。つまり、この時代だからこそ重要なテーマという気もするのだ。チコちゃんが発表した正解は、「それが一番省エネで動けるから」であった。
爬虫類などの変温動物は日光を浴びて体温を上げたり、逆に水に浸かって体温を下げたりする。一方で、我々人間や猫などの哺乳類や鳥類は自ら体温を一定に保つことができる。動物には、周りの温度によって体温が変化する変温動物と、一定の体温を保つ恒温動物がいるのだ。人間以外の哺乳類を挙げると、コアラの平熱は約36度で、ハムスターは約37度、ゴリラは約37度、犬は約38度だ。
私たち哺乳類は爬虫類からの進化の過程で体温を一定に保つ機能を獲得した。哺乳類が進化したのは約2億年前。その進化の中で最も重要なポイントは、「肺の機能の上昇」である。肺は毛細血管から酸素を取り込んでいるが、爬虫類の肺は毛細血管が少なく、吸い込んだ酸素を取り込む表面積も小さいため、取り込める酸素の量が少ない。一方、進化した哺乳類の肺は「肺胞」と呼ばれる酸素を取り込む器官ができたことで毛細血管が増え、酸素を取り込む表面積も大きくなった。取り込める酸素の量が格段に増えたのだ。結果、体の中の酸素量は増え、体の中で作るエネルギーが飛躍的に増えたため、スタミナが大きくなった。爬虫類と比べると哺乳類が作るエネルギーは約10倍である。
エネルギー量が増えたおかげで、周囲の環境の影響を受けず体温を一定に保つことのできる哺乳類。結果、寒暖に関係なく地球上のさまざまな場所で生きていけるようになった。エネルギー量が増えたことでより活発に動けるようになり、生存競争でも有利になっている。
ただ、エネルギーを生み出すにはそれだけ多くの食物を摂る必要がある。つまり、体温が高すぎると食に多大な時間を費やす必要が出てくるのだ。エネルギー生産力を高める過程で体温は上昇したが、無限に上昇することはなく適度なところで落ち着いたというわけである。それが、平熱36~37度くらいだったのだ。哺乳類が最も省エネで動ける体温は36~37度だということ。
あと、コロナのような感染が起こった際は体温が重要な役割を果たす。感染時に起こる発熱に理由がある。ウイルスなどの病原体が増殖しやすい37度より体温を上昇させ、増殖を抑えようとしているのだ。多くの免疫細胞は、37~40度で活発化する。だから発熱し、体温を上げることでウイルスを倒す働きを助けている。ただ、体温が高いままだと体がもたない。発熱すると体がだるくなるが、それは体温を上げようと大量のエネルギーを使っているから。だから通常時は約36度に保ち、感染時だけ体温を上げて体を守るのが最も省エネで効率がいいのだ。
ちなみに、平熱は人種や筋肉量によって違ってくるという。試しに日本語学校に通う外国人の方々の体温を測ると、多くの人の体温は37度以上だった。確かに外国人は筋肉質だし、冬でも半袖の場合が多い。彼らと比べたら日本人は虚弱なのか? あと、海外にルーツを持つミックスの人たちの平熱が何度かも知りたくなった。
では、筋肉量の多い日本人ボディビルダーはどうなのか? 彼らの平熱を測ってみると、やはりみんな37度以上だった。ということは、ボディビルダーは会社に出社できないのでは……。
「37.0度に体温設定してある施設があって、仕事で入りたいのに入れなくて30分以上ずっと測り直していたことがあります。(体温を下げるために)1回寝ました(笑)」(日本人ボディビルダー)
え、寝ると体温は下がるのか……? 兎にも角にも、いろいろなことがよくわかった。筋肉量によって平熱は変わるわけで、女性の体温が低めなのも納得だ。この情報は検査機関、ならびに各企業へ周知しておかないとダメだと思う。
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