映画『浅草キッド』たけしが魂を込め劇団ひとりがリスペクトを注いだ芸人の在り方
2022/01/21 19:00
#ビートたけし #浅草キッド #檜山豊
若かりし頃のビートたけしを完璧模写する柳楽優弥
そして最後にどうしても言いたいのは、主演・柳楽優弥さんの凄さだ。
ビートたけしさん独特のあの顔のビクっとひきつける動きや、首のコリをほぐすかのような何とも言えない首の振り方。そして独学で覚えたであろうタップダンスの粗(荒)さ。実際の若かりしタケシさんは映像で少ししか見たことが無いが、柳楽さんが演じるそのままだったのではないかと錯覚させる演技。さらには、ネタの再現度の高さも凄い。ネタは僕が昔、テレビで見たそのものだった。
『志村けんとドリフの大爆笑物語』(フジテレビ)の際にも書いたが、最近の役者さんの器用さは凄すぎる。お笑い芸人が何年もかけて磨いた技術を、演技だとしても完璧に近い状態で模写してしまう。
僕は若手芸人に漫才を指導する時に、まずは下手でもいいから自分が憧れる人の漫才を真似しなさいと言う。模写してそれを自分のものにした時に、引き出しが増えるからだ。
だが一流の役者さんほどうまく模写できた若手芸人はいない。柳楽さんはそれほど役者としての引き出しが多く、命がけで演技を勉強してきたからであろう。まさに演技という芸を身に着けた”芸人”だ。
そういういろんな一流の芸人たちによって作られた、ビートたけしというひとりの芸人の青春群像劇がこの映画なのだ。
何も考えずに見るにはもってこいのベタさ、何か考えずにはいられない人生の切なさがわかる、いい映画だった。
最終更新:2022/02/04 16:40
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