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日刊サイゾー トップ > エンタメ > ドラマ  > 『ゴシップ』あんな編集者は「ありえねぇ~」?
ネットニュース編集者・中川淳一郎が総ツッコミレビュー!

黒木華ドラマ『ゴシップ』2話、あんな編集者は「ありえねぇ~」けど細部はよくできてる!?

「週刊東西」記事のタイトルはこうすべし

 そしてこれを最後のツッコミとするが、「週刊東西」の「円満離婚は嘘か? 前橋恵一がグラドルと過ごした裏切りの夜」はタイトルをいじりたくなった。ネットニュースの基本は「左から順番に強いキーワードを入れていく」というものがある。となればここで一番強いのは「前橋恵一」であるから、こうした方がいい。

<前橋恵一と美人グラドルの濃厚密着ベッド写真、疑惑の“円満離婚”>

 というわけで、ツッコミどころはあるものの、我々の業界がこうして連ドラ化するというのは、気恥ずかしくもあり嬉しくもある。そして、ストーリー自体は非常に面白い。

 そして、編集部の面々が今後どうやってやる気を出していくか、といった面にも期待をしたい。もともとは漫画誌の編集をやりたかったのに、ネットニュースをやらされて仕事に意義を見出せない石井杏奈が良い味を出している。1年目からあんなにブスッとしてエラソーな社員などさすがにいないが、将来的にはこの仕事に意義を見出すのであろう。

 そして、ディテールは実にリアリティがある。たとえば、各メディアにネタを提供する一般人の男(グラドルの元恋人)がSNSで取材依頼がたくさん来たことをwwwwwwの文字とともに自慢するシーンなど、実際にありそうだ。

 あと、秋元才加演じる不倫俳優のマネージャー役はなかなか秀逸である。とにかく性格がキツく、この手の女性マネージャー、よくいるんだよ。だから私は芸能事務所との付き合いが苦手である。あとは、彼が本当のことを言ってくれればなんとか火消しはできるんだから本当のことを言ってほしかった、といった発言をするなど、外部に対するツンケンした態度は、大切な大切なタレントを守るために奮闘する社畜として実に優秀だ。ただ、事務所が取材NGにしているメディアを現場マネージャーの意向で通すのもあり得ないと思うが。

 さらに、グラドルの所属事務所の社長のコワモテなヤクザ風社長や、ヤクザの子分風な社員もいるんだよ、こういうの。私も芸能事務所に軟禁された時、こんな感じだった。というわけで、細部は実に良い。第3話も今回同様ツッコミを入れていくのでどうぞよろしくお願いします。

中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう)

1973年立川市出身。1997年博報堂入社、2001年無職になりフリーライターになり、雑誌『テレビブロス』のフリー編集者に同年末になる。2006年からネットニュースの仕事を開始。毎月800本ほどの記事を編集する人生に疲れ、2020年8月31日にセミリタイアし、佐賀県唐津市へ。著書は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『炎上するバカさせるバカ 負のネット炎上史』(小学館新書)等。

Twitter:@unkotaberuno

なかがわじゅんいちろう

最終更新:2022/02/24 18:07
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