日テレが年始に『千と千尋の神隠し』『紅の豚』を放送せざるを得なかった裏事情
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日本テレビ系「金曜ロードショー」が、1月7日と14日、『千と千尋の神隠し』と『紅の豚』のノーカット放送を行った。2022年の「金ロー」は2週連続スタジオジブリ作品で幕を開けることになった。
『千と千尋の神隠し』の地上波放送は2019年以来、10回目だったが、7日放送の平均世帯視聴率は16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、個人視聴率10.2%を記録し、根強い人気を示した。
「巨匠・宮崎駿監督作品の『千と千尋の神隠し』は、昨年公開されたアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編』に抜かれるまで、20年近く日本歴代1位の興行収入を誇っていましたからね。トップを奪われた際には、ネット上で『千と千尋』派と『鬼滅』派の対立も目立ちましたが、放送を観た視聴者からは『何度見ても面白い』『ジブリは回数関係ない』との声が飛び交い、改めて良作との評価を得たようです」(テレビ誌ライター)
根強い人気を誇るスタジオジブリ作品を2週連続にわたって放送するということで、「大みそかの特番にジブリアニメを数本放送したほうが視聴率を取れたのでは?」といった意見も見受けられたが、このタイミングで日テレがジブリ作品を放送したのにはある事情があったという。
「日テレといえば1月4日、2021年の年間個人視聴率で11年連続の3冠獲得を達成したと発表。全日(午前6時~深夜0時)4.0%、プライム(午後7時~同11時)5.9%、ゴールデン(午後7時~同10時)6.2%で在京民放5社のトップとなり、『個人視聴率三冠』を誇りました。しかし、実際のところはプライムはテレビ朝日と同率首位ですし、年間の世帯視聴率にいたっては、プライムはテレ朝の単独首位、ゴールデンもテレ朝と同率首位で、テレ朝とかなりの接戦となったんです」(テレビ関係者)
さらに年末には“大失態”が追い打ちをかけた。
「恒例だった『笑ってはいけない』シリーズが休止となったことで『笑って年越したい!笑う大晦日』という特番を用意したものの、第1部(18:30~21:00)の世帯平均視聴率は7.2%で、前年の『笑ってはいけない』第1部から10.4ポイントも下落。一方のテレ朝は、大みそかの『ザワつく!大晦日 一茂良純ちさ子&徹子&羽鳥玉川&新庄BIGBOSSの会』の前半が民放トップの12.1%を記録し、元日特番の『芸能人格付けチェック! 2022お正月スペシャル』も第2部で20.1%を記録と絶好調。テレ朝は『ドクターX ~外科医・大門未知子~』『相棒』『緊急取調室』『特捜9』などドラマでも強く、今年3月までの『年度視聴率』ではテレ朝が逆転する可能性が出てきました。コロナ禍で広告収入が厳しくなるなか、日テレはスポンサーに対して『年度三冠』をアピールしたい。そのため、“キラーコンテンツ”であるジブリ作品をぶち込み、巻き返しに出たというわけです」(前出・テレビ関係者)
日本テレビといえば、2021年4月~9月の上期視聴率を前年同期と比べた場合、テレビ朝日、TBS、フジテレビの3局に比べて大きく数字が下がったと指摘されている。はたして「2週連続スタジオジブリ」企画で年度視聴率も安泰となるだろうか。
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