『ハウス・オブ・グッチ』“GUCCI”に隠された一族崩壊の過程を容赦なく描く!!
#映画 #レディー・ガガ #アダム・ドライバー #リドリー・スコット
言わずと知れたイタリアのハイファッションブランド“GUCCI”は、1921年にグッチオ・グッチによって創業以来、今も世界的なトップブランドとして君臨している。
しかし、現在の経営陣の中に、グッチ一族はひとりも残っていない。
グッチ一族を崩壊に向かわせたのには、ある人物が大きく関わっているといわれている。それは、3代目社長マウリツィオ・グッチの元妻、パトリツィア・レッジャーニだ。
当時、マウリツィオ・グッチ暗殺事件は大きく報道されていたが、その裏に隠されていた真実を知る者は少なかった。
その事件を入口として、サラ・ゲイ・フォーデンが2001年に出版した「ザ・ハウス・オブ・グッチ」は、たちまち話題となり、出版直後から映像化が望まれるほど魅力的でサスペンス色の強い物語であった。
実際に、監督であるリドリー・スコットの製作会社スコット・フリー・プロダクションズも出版直後に権利関係について尋ねており、この頃から映画化の企画は始まっていたのだ。さらに後押ししたのは、リドリーの妻、ジャンニーナ・スコットであった。
人生の半分をイタリアで過ごし、ファッションにも興味があったジャンニーナも「ザ・ハウス・オブ・グッチ」に魅了されたひとりであり、長い企画段階を経てまで完成に至ったのもジャンニーナの熱望があったからこそ。
ジャニーンがプロデューサーを務め、リドリーが監督を務める『ハウス・オブ・グッチ』が、2021年1月14日から公開される!!
【ストーリー】
貧しい家庭出身だが野心的なパトリツィア・レッジャーニ(レディー・ガガ)は、イタリアで最も裕福で格式高いグッチ家の後継者の一人であるマウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)をその知性と美貌で魅了し、やがて結婚する。しかし、次第に彼女は一族の権力争いまで操り、強大なファッションブランドを支配しようとする。順風満帆だったふたりの結婚生活に陰りが見え始めた時、パトリツィアは破滅的な結果を招く危険な道を歩み始める……。
■おしゃれな映画と思ったら大間違い! まるでマフィアの抗争
今作は2代目社長のロドルフォ・グッチの息子・マウリツィオに財産目当てで近づいたパトリツィア・レッジャーニの目線で描かれる。
パトリツィアを演じるレディー・ガガは、世界的なアーティストであると同時に『アメリカン・ホラー・ストーリー』シリーズや『アリー/スター誕生』(2018)でも注目を集める女優でもある。
ガガは、パトリツィアを独自の解釈によって見事に自分のものにしており、非道なはずのパトリツィアに人間的な魅力を感じさせている。
財産目当てでマウリツィオに近づいたといわれるパトリツィアが、そんな中でも夫への愛が芽生え、マウリツィオもその愛に応えたことは、紛れもなくひとつのラブストーリーである。
ところが、GUCCIという大きすぎる存在が2人を引き合わせたのと同時に、運命を狂わせていった原因でもあるというのは皮肉だ。その点では、欲に溺れた女と愛に溺れた男の悲劇の物語としても観ることができる。
ファッションブランドGUCCIを扱った映画ということもあり、今作をおしゃれなガールズムービーなんて思っていたら大間違い。『アメリカン・ギャングスター』(2007)、『最後の決闘裁判』(2021)などのリドリー・スコットの作品の中でも扱われてきた権力争いや欲、裏切り……といった、極限の状況下での駆け引きが容赦なく描かれる。紛れもなく、リドリー節全開の作品だ。
誰を味方にして、誰を利用し、誰を切り捨てるか……パトリツィアの手の中で転がされるグッチ一族。
それぞれの思いが反発し合い、決して分かり合うことができない。そんなパトリツィアやマウリツィオ、グッチ家の人々の様子を見ていると、銃や剣が出てこない(正確には最後だけ出るのだが…)だけで、騎士の決闘や、マフィアの抗争にしか思えないのだ。
『ハウス・オブ・グッチ』
監督:リドリー・スコット
脚本:ベッキー・ジョンストン、ロベルト・ベンティベーニャ
原作:サラ・ゲイ・フォーデン『ハウス・オブ・グッチ 上・下』(実川元子訳、ハヤカワ文庫、2021年12月刊行予定)
製作:リドリー・スコット、ジャンニーナ・スコット、ケヴィン・J・ウォルシュ、マーク・ハッファム
出演:レディー・ガガ、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエックほか
公式サイト:house-of-gucci.jp 公式Twitter:@HouseOfGucci_JP 公式Facebook:@universal.eiga
公式Instagram:@universal_eiga
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