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テレビ東京、ポテンシャルは大! 配信サービスで在京キー局と逆転も?

テレビ東京、ポテンシャルは大! 配信サービスで在京キー局と逆転も?の画像1
Getty Imagesより

 新型コロナウイルスの影響で業績が悪化していた民放テレビ局。フジテレビは50代以上の社員を対象とした早期退職希望者を募っているが、各局でリストラが進む可能性は高いという。

「年末年始の番組では、各局とも売る枠がないほどにCMが入りました。CM収益も徐々に回復し、売上を戻してきてはいます。ただ、フジテレビでいえば、収益の中心はもはやテレビ事業ではなく、ホテル事業や不動産の賃貸。それもコロナ禍で打撃を受けていますから、給料が高すぎる社員の人員整理は急務でしょう。フジのリストラがうまくいけば、TBSやテレビ朝日も同じように動くともいわれています。そんな中で、好調なのが11年連続の個人視聴率3冠を達成した日本テレビと、独自の路線をひた走るテレビ東京です」(民放関係者)

 テレビ東京に関しては、ネットの配信サービスの普及によって、“いま、もっとも勢いがある”といわれている。

「テレ東も、TBS、WOWOWと組んでサービスを行っている動画配信サービス『Paravi』に注力していて、他メディアで自社番組の取材を受ける際は、必ずParaviの告知を入れるように要請しています。今のところは、全国区でネームバリューのあるTBSの番組が視聴ランキングの上位を独占しているものの、地上波でテレ東の番組を見られない地方の視聴者がParaviに加入することが多く、新規会員の獲得に貢献しているようです。また、テレ東の番組を見ることができる『ネットもテレ東』は、スマホアプリが500万ダウンロードを達成し、さらに数字を伸ばしている。アクティブユーザーが多く、他局が展開しているアプリと比べても使いやすいと好評です」(民放関係者)

 テレ東はドラマやバラエティ番組でも、“ネットに適した作り方”を心がけているという。

「深夜ドラマ『来世ではちゃんとします』は、主演・内田理央の過激でエッチな体当たり演技がネットでバズり、若者を中心に人気が出た。テレ東は、他の民放局と比べると世帯視聴率は劣っても、コア視聴率が好調な傾向にあります。そういうコンテンツを作るのがうまいんですね。サウナブームの火付け役となったドラマ『サ道』や、バラエティでは『あちこちオードリー』など、SNSやネットで話題になる作品を次々と制作している。その結果、若い視聴者に支持され、相乗効果でコア視聴率も上がってきています」(民放関係者)

 これまで、魅力的なコンテンツは多いながらも“関東ローカル”といわれてきたテレ東だが、ネット展開で一気に主導権を握ろうとしているという。

「現時点では、民放共通の無料配信プラットフォーム『TVer』でも、全国区の番組がランキングの上位を占めています。ただ、テレ東は今後、番組の同時配信を充実させつつ、ネット広告にさらなる予算を投じて普及を図っていくそうで、若いネットユーザーに受けるコンテンツが多いテレ東が有利になるといわれています。地方のファン開拓というのびしろもありますからね。大手広告代理店も、テレビ広告の価値が年々下がっている中で、『TVer』には期待している。テレ東の番組と組んでさまざまなコンテンツ展開を行いたいとアプローチをしているようです」(民放関係者)

「テレビ東京が在京キー局に勝てる時代がくる可能性がある」と話すのは、大手広告代理店の関係者だ。

「なんだかんだでフジは、世帯視聴率は低くてもコア視聴率がよい番組が多く、広告代理店からも注目されている。ただ、ネット展開がヘタで、要の『FOD(フジテレビオンデマンド)』もダウンロード数のわりにうまく収益が上げられず苦戦しています。Paraviでテレ東と組んでいるTBSも、ネットで受ける番組は『水曜日のダウンタウン』くらいで、お世辞にもネット展開がうまいとはいえない。テレ東のコンテンツがParaviで人気が爆発する日もそう遠くないのでは」

 ネットで本領を発揮するテレ東。今後もその勢いは増していきそうだ。

小林真一(フリーライター)

テレビ局勤務を経て、フリーライターに。過去の仕事から、ジャニーズやアイドルの裏側に精通している。

こばやししんいち

最終更新:2022/01/14 07:00
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