トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • x
  • feed
日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『家つい』2年前の錦鯉渡辺と5年前の空気階段もぐら

『家つい』錦鯉渡辺と空気階段もぐらのビフォア・アフターと「売れるということ」

『家つい』錦鯉渡辺と空気階段もぐらのビフォア・アフターと「売れるということ」の画像1
『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)

 1月5日の『家、ついて行ってイイですか?』(テレビ東京系)で、2020年に番組から自宅訪問された錦鯉・渡辺隆父子と、2016年に訪問された空気階段・鈴木もぐらの取材VTRが放送された。

 2年前と5年前である。なんて縁起のいい番組なのか。それぞれ、『M-1グランプリ』優勝者と『キングオブコント』優勝者だ。「この番組に出ると芸人は運気が上がる」、そんなジンクスが生まれるかもしれない。賞レース優勝芸人のビフォア・アフターを目の当たりにできるのだから、価値ある再放送だ。
 

『家つい』に凱旋する錦鯉のライフ・イズ・ビューティフル

 昨年の『M-1』で錦鯉が優勝した際、筆者がひときわ感動したのはこの『家つい』を見ていたからだ。彼らが王者になり、同番組のスタッフも大喜びしたはず。2年前に『家つい』がついて行ったのは、錦鯉の“ヤバくなさそうで実はヤバい方”隆の家だった。

 2年前に見たときはそれほど思わなかったが、今見ると痛烈に思う。江戸川区の銭湯でスタッフが声をかけた隆の父・政夫さんは、顔も声も息子にそっくりだ。

 到着したご自宅は4LDKの持ち家で、政夫さんは5代目。この家に父子2人だけで住んでいる。渡辺邸は10年前に建て替えられ、男所帯とは思えぬ綺麗さを誇る。『M-1グランプリ2021 アナザーストーリー』(テレビ朝日系)でも渡辺家は公開されており、この景色は記憶に新しい。こんなに広いのなら、相方・長谷川雅紀を住まわせることもできたのでは?

 冷蔵庫を開けると、元魚屋の政夫さんらしく食材と調味料で充実していた。しかも、よく見るとバニラエッセンスまで保存してあるのだ。男二人暮らしで、一体何に使うのだろう……?

 政夫さんは苦労人だ。魚屋を辞めた後に就いた職業は長距離ドライバー。全国を走り回り家を空けがちな日々の中、奥さんが交通事故に遭った。

「朝、犬の散歩をしてて(車側の)信号無視で。2トンの車の下に入っちゃったから、首やっちゃった。即死だね。それからは仕事も少し休んで。1カ月以上、四十九日まで。あの後、車を運転できなくなった。横断歩道を見れなかった。(妻が)横断歩道で亡くなってるから。でも、子どもらのほうがショック大きかったんじゃないかねえ……。塞ぎ込みますよね」(政夫さん)

 渡辺家にこんな話があるなんて、多くの人にとって驚きだろう。仏壇に花を供える政夫さん。今、改めて見ると、奥さんの写真の横に「M-1決勝進出」と書かれた札が飾ってあった。奥さんの顔は隆とよく似ている。そして、政夫さんと奥さんも似ている。家族みんな、似た顔なのだ。

 部屋の隅を見ると、隆のグローブが置いてあった。野球少年だった隆。売れない頃の彼は近所の河川敷で、ワンカップ片手に野球部の練習を見て勝手にスタメンを考えるのが趣味だった。明日をも見えぬ日々。取材当時の隆は市場で品物の出し入れのバイトをしていた。40代でアルバイト、なかなかにキツい状況である。でも、相方の雅紀が拠り所にしていた松本人志の言葉を思い返したい。隆にもそれは当てはまる。「魂は年を取らない」。

ふと部屋のカレンダーに目をやると、12月20日の日付にあったのは「M-1決勝」という書き込みだ

「せがれがM-1決勝に出るんですよ。息子の仕事は漫才師。『錦鯉』って言うの」(政夫さん)

 この取材が行われたのは、「M-1グランプリ2020」開催の約2週間前。同年、錦鯉の成績は4位だった。そして翌年、息子の努力は実を結んだ。今や、錦鯉は爆売れ中だ。売れっ子になった隆を奥さんに見せられなかったのは残念。でも、『M-1グランプリ2021 アナザーストーリー』(テレビ朝日系)を見ると、隆が母のお墓参りをする姿が確認できる。ライフ・イズ・ビューティフルだ。

『M-1グランプリ2020』翌年の1月、番組スタッフは渡辺家を再訪した。そこには私服姿の隆がいた。スタッフを前に特に何もせず、ネットサーフィンに興じる隆。趣味のVTuber動画を見ているのか? それともセクシー女優のInstagramをサーフィンしている? 今と変わっていないようで、今とは明らかに違う。この頃の隆にはまだ王者感がないのだ。

 19日放送の『家つい』に、錦鯉の2人が出演するらしい。「優勝後の彼らにも密着して!」と思っていたら、ゲストとして堂々出演するとのこと。それはそれでいい。

12
ページ上部へ戻る

配給映画