ヒモ夫が怪しすぎ!?も後追い死…陰謀論うずまく女優の死の真相に迫るHBO作品
#ブリタニー・マーフィ
『8Mile』でハリウッドスターに! だが…
貧困に追いやられている彼女も成功することを求めてモデルをしている。そんな彼女から「あんた成功するよ。そんな予感がするんだ」と囁かれ、ジミーは彼女と一緒に成功する道を目指すが、成功したい一心で仕事を世話してくれる男に抱かれるアレックスを見て、この世の絶望を味わう。
本作の演技でハリウッドスターとしての地位を確立した彼女には、成功の道が約束されたはずだった。だが『8Mile』が彼女のキャリアの頂点となり、以降はひたすら坂道を転がり続けた。
まず、作品選びに失敗する。03年の『ジャスト・マリッジ』、04年の『カレの嘘と彼女のヒミツ』の評価は最低で、私生活でのしくじりが追い打ちをかける。共演をきっかけにエミネムや『ジャスト・マリッジ』のアシュトン・カッチャーとのラブロマンスが流れるがいずれも破局。マネージャーと婚約に至るがこれも解消。
07年、そんな彼女にもようやく春が訪れる。脚本家兼映画監督のサイモン・モンジャックと結婚を発表したのだ。ただ世間は訝しがった。サイモンって誰?脚本家? 監督? そんなやつ、知らないよ!
そして09年、ブリタニーは自宅のシャワー室で息をしていない姿が同居中の母親によって発見され、病院で亡くなる。死因は肺炎、貧血と発表された。だがサイモンとの結婚前後、彼女の変貌ぶりを目の当たりにしていた人々はこの発表を疑い、ブリタニーの死には何かが隠されている、とウワサし始める。なにしろ、夫のサイモンが怪しすぎるのだ。
以前、サイモンに会ったことがあるという男性によればサイモンは自身を製鉄会社の創業者の孫と名乗り、フェルメールの収集家でフェラーリを17台所有し、脳の病気を患っていたがサメのヒレを使った画期的な治療で奇跡的に回復した、といっては映画への出資話に誘い込む。美女を必ず連れ、彼女にデタラメすぎる話を全部肯定させて説得力を高め、彼女から金を引き出し、そのうち消える。これを繰り返す。サイモンはヒモ男だった。
HBOの調査でサイモンは、イギリスとフランスに隠し子がいることもわかった。その子を産んだ女性もHBOの取材を受けており、クリスマスにハロッズ(高級百貨店)の前で待ち合わせをしているとサイモンから電話がかかり、後ろを振り返ると跪いた彼がティファニーの指輪を差し出して求婚したというエピソードは陳腐すぎて笑えてしまうが、サイモンに魅入られている女性は「こんなロマンティックなプロポーズ初めてよ!」とあっさり受け入れてしまう。
そして結ばれた女性をサイモンは一方的に服従させた。
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