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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 源頼朝、土方歳三ら偉人たちの驚きの年収

源頼朝、渋沢栄一、土方歳三の年収は? 『偉人の年収』著者・堀江宏樹さんに聞く

ドケチで小心者だった徳川家康

源頼朝、渋沢栄一、土方歳三の年収は? 『偉人の年収』著者・堀江宏樹さんに聞くの画像3
徳川家康

――徳川家康については、直轄領からの農業収入だけでも毎年約67万石=年収1005億円もある「日本史随一の資産家」だったと『偉人の年収』で紹介されていますよね。家康といえば大河ドラマには欠かせない存在ですし、『青天を衝け』にもナビゲーター役として登場していましたが、2023年には家康が主人公の『どうする家康』が放送されます。実際の家康はどんな人物だったのでしょうか。

堀江 確かに、家康は大河の常連といっていい人物ですよね。直近でも、『麒麟がくる』では苦労人ゆえの常識人として描かれ、『青天を衝け』では大きな視点から子孫たちを見守る“神様”みたいな存在でした。

 しかしいずれも、日本人が「家康公がこうであったらいいなぁ」と思うような描かれ方で、大いに理想化されています。史実の家康はそれとはだいぶ違っていて、幼少時には今川家で人質として過ごすなどの苦労を重ね、後に「天下人」として莫大な資産を手に入れてからも身内への支払いでドケチぶりを発揮したりと、あまり偉人っぽくない一面が目立ちます。美談は多いけれど、おそらくほとんどが後世の創作。先ほども言いましたが、やはり金の使い方にこそ本性が表れますから。

――大河で言うと、『おんな城主 直虎』で阿部サダヲさんが演じた家康は、少々エキセントリックに描かれていましたよね。ああいう家康のほうが、むしろ史実に近い?

堀江 はい。他人を簡単には信じられず、カネには細かく、神経質。恐怖による失禁・脱糞エピソードも他の武将にくらべて豊富です(笑)。「家康が最も恐れた男」と呼ばれるような人物はリスト化できるほど多く存在します。まぁ、それは家康自身が言ったことではないでしょうが、かなりの小心者だったとはいえるかも。

 『どうする家康』は家康を「ナイーブで頼りないプリンス」として描くそうなので、その意味では史実に近い家康像になるのかもしれませんね。そういうヨワヨワな主人公を大河で見たいかというと微妙かもしれませんが、『花より男子』シリーズで“オレ様”だけど絶妙に天然な道明寺司を演じた松本潤さんなら、そういう家康の弱さも愛嬌になるんじゃないですか(笑)。

『偉人の年収』の画像

『偉人の年収』(イースト・プレス)

・新選組の月給
・戦国武将の金銭トラブル
・渋沢栄一の年収変遷
・ピカソ家の遺産相続
・シェイクスピアの秘密の副業etc.

偉人たちの金銭事情を、現代日本円に換算して生々しく紹介。
良識ある研究者は手を出したがらない「禁断のテーマ」に挑む!

堀江宏樹の画像
堀江宏樹(ほりえ・ひろき)
作家、歴史エッセイスト。
大ヒットしてシリーズ化された『乙女の日本史』(東京書籍)、『本当は怖い世界史』(三笠書房)のほか、著書多数。雑誌やWEB媒体のコラムも手掛け、恋愛・金銭事情を通じてわかる歴史人物の素顔、スキャンダラスな史実などをユーモアあふれる筆致で紹介してきた。
漫画作品の原案・監修協力も行い、近刊には『ラ・マキユーズ ヴェルサイユの化粧師』(KADOKAWA)などがある。

堀江宏樹さんの人気連載〈「大河ドラマ」勝手に放送講義〉はこちら

最終更新:2022/01/11 21:44
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