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『チコちゃんに叱られる!』大河ドラマ『鎌倉殿の13人』番宣回、ネタ切れが深刻?

大河ドラマの番宣につなげるためのサービス問題!

 この日最後のテーマは、「なんで運動会で赤組と白組に分かれるの?」という疑問であった。はて、なんでだろう。白と黒じゃお葬式になるから? 『NHK紅白歌合戦』の真似? 週刊文春によると、NHKの前田晃伸会長は「紅組と白組を分けるシステムはやめるべきでは」と言っていたそうだけども……。回答者に指名されたのは中川だ。

中川 「それこそ、戦の時代に起源があるんじゃ……」
岡村 「大河ドラマに関係しているんじゃないですか?」
菅田 「そういうことですか、もしかして?」
佐藤 「あっ、そういうことか。な~んだ!」

 このテーマはいわば、源平合戦を取り扱う『鎌倉殿の13人』番宣につなげるためのサービス問題。チコちゃんが発表した正解は「平氏が赤、源氏が白だったから」であった。

 スポーツの紅白戦など二手に分かれて戦う場合、赤と白の2色が使われることが多い。これは平安時代末期の平氏と源氏という2大勢力が関係している。

 当時の戦い方には暗黙のルールがあった。それは、「名乗り合っての一騎打ち」である。「我こそは〇〇だ! いざ勝負」と名乗り合ってから戦うのが決まりで、このルールに則ることで合戦の中では小さな一騎打ちが数多く行われていた。自らの正々堂々とした姿勢を示し、誰が誰の首を討ったかわかりやすくなる構造だ。

 しかし合戦が大規模化していくなか、少しずつ合戦のルールを破る者も出てきた。例えば奇襲を仕掛けたり、集団で襲い掛かったり。戦い方が個人戦から集団戦へと変わっていった……って、番組内では伏せられていたけど、そのルールを破ったのは菅田が演じる源義経じゃない! ルール破りの義経はかなりの無法者だ。

 こうして戦のルールは変わり始め、同時にある問題が持ち上がった。似たような鎧兜を着た大人数の中では、一騎打ちや名乗り合いでは必要なかった敵味方の判別が不可欠になってしまうのだ。というわけで平氏は赤の旗を、源氏は白の旗を掲げ、敵味方を明確にして戦うようになった。今のイメージだと白旗を掲げると負けを認めているように見えるが、当時はそうではなかったのだろう。それぞれがイメージカラーの旗を掲げて敵味方の判別をし、同士討ちを防ぐ新ルール。なんか、それって90年代のカラーギャングみたいだな……。

 源平の戦いから数十年後には源平盛衰記や平家物語など多くの歴史物語が書かれ、江戸時代の歌舞伎では平氏と源氏を描いた物語が人気演目になるなど、大衆文化の中に紅白は残り続けた。幕末の時代には、新選組・副長の土方歳三が剣術の記念試合で紅白戦を行ったという記録も残っている。明治時代になると、運動競技の教則本に赤の平氏と白の源氏というチーム分けも登場した。このように平氏の赤、源氏の白という相対するイメージカラーは時代を経ても残り続け、運動会の赤組白組など二手に分かれるときの色としても使われたのだ。そうか、小学生は知らない間に源平戦をやらされていたのか……。

 さて、本稿では上記2つのテーマを取り上げたが、この日の『チコちゃん』は拡大版だけにこれにプラスしてもう2つのテーマ、計4つのテーマVTRが放送されている。これがはっきり言って、全部イマイチだったのだ。かねてより囁かれているが、いよいよ『チコちゃん』のネタ切れも深刻な気がする。それとも、番宣を兼ねた内容だったから今回はイマイチだったのか?

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/01/07 19:00
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