『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』、カギは成長とマルチバース
#映画 #スパイダーマン
サム・ライミ版『スパイダーマン』は新3部作が製作中に中止となり、『アメイジング・スパイダーマン』もMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)に参加することが決定打となってリブートされたことで、続編やスピンオフ企画も白紙になってしまった。
このように、さまざまな理由で不完全燃焼に終わってしまっていた『スパイダーマン』シリーズ。今作は、シリーズ中でスパイダーマンを苦しめたヴィランが集結し、トム・ホランド演じる現行のスパイダーマンことピーター・パーカーに襲いかかる、というアメコミ全開のマルチバース(パラレル・ワールドがいくつも存在するという考え、平行世界)が展開されることもあって、公開前から話題になっていた。
しかし一方で、前作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』(2018)がマルチバースをミスリードさせる物語だったということもあり、今作も油断ならないと構えていたファンも多いだろう。
もうひとつの不安として、『スパイダーマン3』(2007)と『アメイジング・スパイダーマン2』(2014)は、複数のヴィランを出したことでストーリーが散らかってしまったことが失敗の要因ともされていただけに、今作でマルチバースを取り入れても大丈夫なのかという懸念もあった。
しかし、安心してほしい。ソニー製『スパイダーマン』映画の集大成と呼ぶに相応しい、見事なクオリティの作品が誕生した。
今作は、ファンが疑問に思っていることを、ことごとく説明してくれている作品でもある。例えばジェイミー・フォックス演じるエレクトロは『アメイジング・スパイダーマン2』に登場した青い姿とは異なるが、それがなぜなのかを劇中で紹介し、解説してくれている。今まで登場したヴィランのアフターケアも欠かさない。
また世界中のファンが気になっていたのが、今作で歴代のスパイダーマンが共演するのかということだろう。契約の都合上、映画シリーズでの登場が制限されていたNetflix組(『デアデビル』『アイアン・フィスト』『ルーク・ケイジ』などのキャラクター)が登場するのかが気になっていた人もはずだ。ネタバレ回避のためここでは明かせないので、ぜひ劇場で確認してもらいたい。
【ストーリー】
スパイダーマンであることを世界中に明かされたピーター・パーカー。ドクター・ストレンジはピーターから頼まれ、人々の記憶からピーターがスパイダーマンだという記憶を消す呪文を唱えるが、やがて時空が歪み、マルチバースが出現。それぞれのユニバースから、過去のヴィランたちを呼び寄せてしまう……。
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