レコ大受賞Da-iCEに「知らない」という声が上がる日本の音楽業界の構造的問題
#TBS #レコード大賞 #音楽番組 #Da-iCE #優里
『ミュージックステーション』に出演できない非ジャニーズグループ
「Da-iCEだけでなく、ジャニーズと競合となる他事務所の男性グループが『ミュージックステーション』などゴールデンプライム帯の音楽番組にほとんど出演できていないのは有名な話ですが、ストリーミングで累計1億回再生を突破するヒットを出したアーティストの多くが『ミュージックステーション』に呼ばれていることを考えれば、Da-iCEが出演できていない状況は明らかに不自然。『ミュージックステーション』はダンスロックバンドのDISH//が2020年に『猫』がヒットしてようやく呼ばれた際も、ジャニーズに気を遣って最初はボーカルの北村匠海ひとりでの出演になりましたが、それでもジャニーズ上層部から独禁法に抵触しない範囲で“お気持ち”が番組側に対し表明されたといいます。こうした不均衡な構造が、世間に『Da-iCEって誰?』と言わせているんです」(アイドル誌記者)
Da-iCEに対する扱いの“ぞんざいさ”は、中継番組『輝く!日本レコード大賞』からも見られたとの指摘もある。
「結成10周年となる彼らはこの発表に驚きながらも喜びのコメントをしていましたが、なぜかリーダーの工藤大輝に続いてボーカルの大野雄大が話している途中で『CITRUS』のイントロが流れ、強制的に受賞曲披露の流れに。時間が押していたのでしょうが、しかし一方で番組は過去のVTRをしつこいまでに流したり、特別賞を受賞したYOASOBIには3曲をフルサイズで披露させたりする余裕はあったわけで、大賞のDa-iCEに時間的猶予を残さない意図があったのでは……と疑いたくもなります。さすがにそれは勘ぐりすぎだと考えたいですが、そういう発想になるのもDa-iCEに対するテレビの扱いが露骨だからですよ」(同上)
さらに、「日本レコード大賞」そのものへの疑義もある。
「番組内では対象作品について『2020年10月以降に発表された全ての音楽ソフト、またそれ以前の発表であっても年度内に顕著な実績を上げた作品』と説明されていましたが、レコ大の主催団体である日本作曲家協会の公式サイトなどではこうした説明は一切ありませんし、そもそもどういう審査基準を設けているのかも具体的な言及はありません。2020年の第62回は瑛人の『香水』やDISH//の『猫』なども大賞候補になったように、近年はCDセールスだけでなくストリーミング人気も意識されていること自体はうかがえますが……。しかし2021年はYOASOBIやAdoが大賞ではなく特別賞にされ、また、なぜ優里がどこにもノミネートされていないのかも説明されていない。優里の『ドライフラワー』は2020年10月25日のリリースですから候補資格はありますし、2021年のビルボードジャパン年間チャートでは総合1位で、候補になっていれば文句なしの大賞だったはずです。
こういう状態だから憶測がいろいろと書き立てられてしまうわけですが、2016年や2017年には、大賞の買収取引があった、大手芸能プロダクションの社長が私物化している、などと『週刊文春』に報じられたのに、そうした不透明な部分がいつまでも改善されているように見えないのだから、疑念を持たれても当然です。かわいそうなのは受賞したアーティストたち。彼らはただそれぞれに努力を重ねてファンを増やし、音楽を届けているだけというのに、大賞を手にすると事務所の力だと批判されてしまうのですから」(前出の音楽ライター)
あれこれ言われようと、クラブやライブハウスから地道にのし上がってきたDa-iCEが、2021年に「CITRUS」というヒットを生み、全国アリーナツアーを成功させるほどまでの人気を得たという事実は変わらない。今年2月からは日本テレビ系でDa-iCE初の地上波初冠番組の放送が決定している。レコード大賞受賞を通過点に、「知らない」という声を撤回させるだけのさらなる活躍に期待したい。
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