松村沙友理、玉手箱のような才能と天真爛漫な笑顔の裏に見えていたもの
#松村沙友理 #乃木坂46
2021年に結成10周年を迎えた乃木坂46。その1年を振り返ると、草創期からグループを支えてきた1、2期生の卒業が相次ぎ、世代交代を強く感じさせる年でもあった。
乃木坂46を去っていったメンバーたちは、グループや私たちファンに何を遺してくれただろう。このシリーズでは、2021年に卒業した8人のメンバーを順番に取り上げ、その軌跡を改めて振り返りたい。
第2回目は、松村沙友理。
映画『悲しみの忘れ方』のとあるシーン
松村沙友理は27thシングル『ごめんねFingers crossed』での活動をもって乃木坂46から卒業した。前年の白石麻衣に続き、グループの中心的存在であった松村の卒業は一時代の終わりを感じさせた。だが、いつかこの時がくるのではないかと思っていたファンも多かったのではないだろうか。
松村は1期生としてグループに加入し、デビューシングル『ぐるぐるカーテン』から28thシングル『君に叱られた』までの全シングルで選抜入りを果たしている。白石、橋本奈々未、松村の3人で「御三家」と呼ばれお姉さんメンバーとして人気を集めた。
松村はとにかく明るくて天真爛漫なキャラクターというイメージがあるが、筆者が特に印象に残っているのが映画『悲しみの忘れ方』でのあるシーンだ。乃木坂46ではメンバーの登竜門のひとつとして選抜制のミュージカル「16人プリンシパル」の舞台公演が行われているが、そこで選ばれなかった松村が涙を浮かべながら「私は何もできないから、ここにはいない方がいい」と、生駒里奈と言い合う。松村のこの言葉は、乃木坂46ひいてはアイドルが置かれている苛烈な状況に対する自然な感情の発露だったと言えるが、普段の天真爛漫さとはイメージの異なる一面が垣間見られた場面でもあった。これ以降、筆者の松村に対する見方は大きく変わることとなった。
松村は乃木坂46の中でもジャンルを横断して活動してきたメンバーだった。2015年からはファッション誌「CanCam」(小学館)の専属モデルとして活動しており、2017年12月には初の写真集『意外っていうか、前から可愛いと思ってた』(小学館)を発売し、累計発行部数は7.8万部突破の大ヒット。白石と同様に女性からの支持を多く集めた。また、「賭ケグルイ」シリーズの夢見弖ユメミというハマり役を得たことを始め、2019年には映画『東京ワイン会ピープル』で主演を務めるなど、女優としても話題作に恵まれた。
さらにはアニメ好きとして知られる松村は、アニメ『クリオネの灯り』(TOKYO MX)や、「からあげ姉妹」としてオープニング曲を担当した『ポケットモンスター』(テレビ東京系)で声優に挑戦するなど、そのオールラウンダーな活躍ぶりで、乃木坂46の名前を幅広い年齢層に知らしめたといってもいい。
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