『ポンポさん』じわじわ話題になり始め…他、年始にVODで見られる劇場用アニメ
#U-NEXT
日本人はもはやディズニーよりもすみっコぐらし
最後におススメするのは『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』だ。たれぱんだやリラックマなどで知られるサンエックスのキャラクター、すみっコぐらしのキャラクターを使ったアニメで、小規模での公開ながら子供のみならず「大人が見ても泣ける」と大変な話題になっていたのを覚えている。
すみっコぐらしのキャラクターたちは、前向きな性格ではないデザイナーが部屋の隅や喫茶店でも壁際の隅の席を好むキャラクターに日本人は共感するはず、という思いでつくられたという。だから各キャラクターも、風変りで地味で目立たない、ネガティブな性格の持ち主だ。寒がりなので北から逃げてきた「しろくま」、名前に疑問符がついている「ぺんぎん?」は自分がペンギンなのかどうかの自信がない。「とんかつ」は端っこの部分で肉の部分が1%しかないから食べ残されてしまった。
同様のキャラクターに「えびふらいのしっぽ」「たぴおか」(ミルクティーだけ先に飲まれて残された)がおり、聞けば聞くほどそんな後ろ向きな設定のキャラクター商品で「それで本当に人気がでるの?」と疑問に思うが、子供たちは可愛らしさに惹かれ、大人たちは自身が共感できる存在として愛せるようになっているというわけだ。
さて劇場アニメではすみっコぐらしのキャラクターたちが絵本の世界に入り込む。誰もが知っているおとぎ話「桃太郎」の世界に入ったキャラクターたちはおじいさんやおばあさんといったキャラを再現するのだが、謙虚で控えめなすみっコたちは積極的に物語の進行に関与せず、周囲に押し付けられてキャラクターを演じるという、どこまでもすみっコらしい。だが絵本の世界で迷子になった「ひよこ」の仲間を探すため、すみっコたちは(珍しく)前向きに立ち上がる、というストーリーだ。
キャラに声が充てられると違和感を覚えるという理由から個々のキャラクターには声がなく、代わりにナレーションが最低限の説明をかねてつけられている。まるで親が子供に絵本の読み聞かせをするようなナレーションで、担当しているのはV6の井ノ原快彦と本上まなみ。二人の癒しボイスがすみっコの世界にジャストフィットしている。
現代社会のすみっコである人々(筆者含む)はもう、ディズニーアニメでは癒されない。すみっコぐらしだけが癒しなんや! 現在第二弾の『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』が絶賛上映中なのでぜひ、前作を予習した上で観に行くとより楽しめます。
「おせちもいいけどカレーもね」と言いがちなこの時期、お外もいいけどおうちでVODもね、の精神でおススメする三作品でしんみりする冬を乗り切ろう。
サイゾー人気記事ランキングすべて見る
イチオシ記事