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関西バラエティ番組事件簿

オズワルド・伊藤「これからバチバチの時代が始まる」M-1後のファイナリストたち

オズワルド・伊藤「これからバチバチの時代が始まる」M-1後のファイナリストたちの画像1
「M-1グランプリ」ウェブサイトより

 全国で人気のタレントを多数輩出し、またローカル番組らしい味わいがクセになる、関西制作のテレビ番組に注目する連載「関西バラエティ番組事件簿」。

 今回は、『M-1グランプリ2021』(ABCテレビ・テレビ朝日系)のファイナリストたちが出演した、2021年末の主な番組について触れていきたい。

 錦鯉の最年長優勝で幕を閉じた2021年大会。開催日の12月19日以降、ファイナリストは各番組に出ずっぱりとなり、さまざまな番組で大会の舞台裏について語ってきた。

錦鯉のネタ中、オズワルド・伊藤は耳を塞いだ

 12月27日放送『M-1グランプリ2021 アナザーストーリー』(ABCテレビ)は、決勝戦の興奮と感動をそのまま受け継いだ内容だった。特に興味深かったのは、ファイナルラウンドで錦鯉がウケまくっているとき、笑い声が聞こえないように耳を塞ぐオズワルド・伊藤の姿だ。

『アナザーストーリー』では、ネタの完成度を極限まで磨き上げていくオズワルドの過程が記録されていた。ちょっとした一言でも付け足すか、足さないかを調整する伊藤と畠中。ふたりは普段の舞台でも、出番後はすぐに修正ポイントに取り掛かる。それをずっと続けてきたという。『M-1』を獲るために一切の妥協をなくした。今回の『アナザーストーリー』のおもしろさのひとつは、オズワルドの漫才に対するストイックさを知ることができた点だ(もちろんそれはどのコンビにも言えることだろう)。

 とにかくやりきった。だからこそ、オズワルドは各番組で話しているが、ファーストラウンドの時点で優勝をある程度は確信していた。4年間、自分たちを密着してくれた取材カメラマンにも労いの言葉をかけた。それでも『M-1』の魔物はオズワルドを飲み込んだ。前述の伊藤の“耳せん”は、今まさに飲み込まれんとする姿を生々しくとらえた、象徴的なカットだった

 今回の『アナザーストーリー』は、2021年に放送されたテレビドキュメンタリーのなかでも秀逸な1本だ。

「第7世代の和気あいあいが終わり、バチバチの時代が始まる」

 オズワルドは、12月28日に放送された年末恒例『八方・今田の楽屋ニュース』(ABCテレビ)にも出演。いかに2021年の『M-1』に賭けていたかが分かった。

 同番組内で決勝5位のもも・まもる。が、『M-1』3回戦後に伊藤から初めて食事に誘われて「これから仲良くできる」と喜んだものの、準決勝後「お前はもう敵だから話しかけてくるな」と態度が急変したことを明かした。

 伊藤は「毎年、準決勝では自分たちの出番前のコンビがウケてきたから」とトム・ブラウン、おいでやすこがの名前を挙げ「今年はそれがももだった。(そういうデータがファンの間で知られていて)準決勝の出番順が発表された時点でエゴサをしたら、『ももは決勝決定』と書かれていた。『オズワルドが、ももを決勝に連れて行ってくれるだろう』って。決勝でもミルクボーイ、マヂカルラブリーが自分たちの出番前で大きくウケて、その後の荒れ果てたところをせっせと耕して、次のコンビがまともにネタができるような役割になっていた」と“おくりびと”とも称されるオズワルドのジンクスを絡めた投稿を見つけたという。“主役”の引き立て役に回ってしまった経験もあって伊藤のスイッチが入り、ももと距離を置いたのだという。

 司会・今田耕司が「昭和の芸人はそんなもんやった。今が仲良すぎる。決勝を争うんだから、可愛がっている場合じゃない」とフォローすると、伊藤も「別に悪口を言うわけじゃないけど、第7世代に僕らは入れて欲しかったけど入れてもらえなかった。そういう和気あいあいみたいなものが終わって、これからはバチバチの時代が始まるんですよ」と闘争心を隠さなかった。

『アナザーストーリー』、『楽屋ニュース』を観ると、オズワルドの『M-1』への向き合い方がひしひしと伝わってきた。

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