日本大好きニコラス・ケイジの21年公開作振り返り!マニア唸らす怪優ケイジの世界
#ニコラス・ケイジ
マニアを唸らす怪優ケイジの世界
そして栄光(?)の第1位は…『ウィリーズ・ワンダーランド』!
スポーツカーで爆音響かせ、田舎町を疾走するケイジ!だがタイヤがパンクしてしまう。通りすがりの男に修理を頼むが支払いは現金でと言われカードしか持ってないケイジは途方に暮れる。修理工は町一番の実業家を紹介し、彼の所有する遊園地ウィリーズ・ワンダーランドの掃除をケイジは任される。
遊園地は事情があって閉鎖したのだが再オープンの予定があるため、ピカピカにしてほしい。休憩もとっていいし、明日の朝までに綺麗にしてくれたらそれまでに車は直してやる……。
というわけでケイジは「清掃員」として遊園地の掃除を始める。そこに近所の悪ガキどもがやってきて、遊園地に火をつけようとするのだ。
「あんた!今から火をつけるからとっとと出といでよ!危ないよ!」
と声をかけられるがケイジは無視して黙々と掃除を続ける。悪ガキたちは遊園地は燃やしたいが、人殺しはごめんだと中に潜り込んでケイジを引っ張り出そうとする。ところが遊園地内に放置されたアトラクション用のアニマルロボットたちが動き出して悪ガキどもを抹殺開始!
実はこの遊園地を運営していた元の持主はどうかしていて、パーク内のハッピー・ルームという秘密の部屋に家族連れのゲストを招いては子供の誕生日を祝うフリして家族ごと皆殺しにしていた。アニマルロボットに扮した持主と友人の殺人マニアたちが誕生日の唄を歌いながら襲い掛かる!某有名テーマパークにはVIPルームがあって迷子になった子供が連れていかれる、という都市伝説を思い出す。
持主と殺人マニアたちは警察に踏み込まれるのだが、突入した警察が見たものは集団自殺した犯人たちだった。彼らは黒魔術の儀式で魂だけをロボットの中に入れ替え、営業中の遊園地で客を殺害しまくったために閉鎖になってしまう。これで犠牲者はなくなると思いきや、ロボットは夜な夜なパークの外にはい出て町の住民を襲うようになったので、実業家を始めとする町の有力者たちは事情を知らずに外からやってくるよそ者を獲物として提供するのでそれで我慢してくれ、とアニマルロボットらと交渉、ってもう何がなんだか!ケイジの車がパンクしたのは事故ではなく、仕組まれていたのだ。
これがよくあるホラー映画なら何も知らない一般人のケイジが殺人マニアが乗り移ったロボットに襲われてあたふたするところだが、謎の男ケイジは無言でロボットらをボコボコに破壊していく。破壊したロボットは燃えないゴミとして廃棄、その間延々と遊園地の掃除をし続ける、無言で。この映画、ケイジのセリフが一言もないのでなんでそんなに強いのか、何を考えているのか一切わからない。わざわざこんな変な映画を見ている観客は
「まあ、ケイジだからしようがないね」
の一言で済ませると思うんだけど(僕もそうです)……。
こんな映画ありえないんだけど、ケイジが経営しているサターン・フィルムの制作だから、ケイジによるケイジのための映画だったのだろう。
2021年だけでもこの通り、常識が通用しない映画にばかり出ているニコラス・ケイジ。まともな観客は呆れ返るかも。でも他では得られない魅力に満ちた作品ともいえ、年々マニアを唸らせている。そんな怪優ケイジの世界をあなたも覗いてみないか!?
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