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『M-1グランプリ 2021』に感じた物足りなさの正体――賞レースの進化を支えるのは何か

賞レースの“進化”は審査員にかかっている

『M-1グランプリ 2021』に感じた物足りなさの正体――賞レースの進化を支えるのは何かの画像3
「M-1グランプリ」YouTubeチャンネルより

タカ 大会全体から『KOC』のような進化は感じられませんでした。おそらくそこは出演者よりも審査員にかかってる部分なんですよ。新しい人の評価をもっときちんとできていたら、違う感じの大会になっていたんじゃないでしょうか。

ユージ でも、真空ジェシカが「わからん」とされて低い点をつけられなかったことに救いを感じましたけどね。もっと高得点でもよかったと思いますが。ハライチがオール巨人師匠に「RPGわからん方が見てると『なんだ?』とは思われるよな」とコメントされたことがどうしても頭に残っていたんですよ(2016年)。巨人師匠はそのとき91点をつけていたので「わからないから評価しない」ということではなかったですが、テーマやボケのモチーフは年々新しくなっていくわけじゃないですか。審査員がそれにどこまでついていけるのかという問題はある。だから上沼さんが真空に「もっと笑いたかった、ついていってない自分がもどかしい」と言っていたのは良かったです。そこを自覚してちゃんと口にできるんだなと。

タカ 何をしているのか把握した上でジャッジしてほしいですからね。ただ、上沼さんのことを悪く言いたくはないけれど、もう審査の中で好き嫌いを言うのは違うというか……。「女性は好き嫌いで判断する」というふうに見えてしまうのもしんどいところです。できれば技術的なことをビシッと指摘してほしいですが、自身が漫才をやっていた期間が短いがゆえに技術を語るのは逆に不誠実と考えているのかな。

ユージ 毎年『M-1』前後で「私なんか漫才やってた時期短いから」みたいなことを言っている印象はあります。

タカ 言ってますよね。女性の審査員がいることの重要性はあるけれど、荷が重くなってきてるように見える。毎年辞退しようとしては説得されて出ているそうですが、来年はどうなるんでしょうね。松本人志だって、いずれは「わからない」側にいくかもしれないわけじゃないですか。審査員含めて『M-1』という大会自体が生き物のように歳を重ねていく。その中でどう進化していけるかが課題になっていくと思います。『KOC』はちゃんと前進できたわけで。

ユージ 『KOC』はやっぱり二番手というか、芸人たちも言っているように『M-1』に比べたら一枚落ちるからこそ審査員を総取っ替えしたりできるんじゃないでしょうか。数年前に「ファイナリストは当日までシークレット」というまったく意味のわからないことを始めたときは「いよいよ終わった」と思ったのに、こんなに巻き返してくるとは思いませんでした。

タカ そんなこともありましたね。でも賞レースとしての格云々の問題ではなくて、コントというものが型がないから自由な審査ができるんだと思いますよ。それに比べて『M-1』は去年漫才論争が起きたようにどうしても自由度が低いじゃないですか。だからこそ権威主義に陥ることなく前に進んでいってほしいです。

ユージ あと、敗者復活戦を屋内にしてほしい……寒さでドラマを演出するのはやめて、ベストコンディションでネタやれる環境にしてあげてください……。

タカ&ユージ(お笑いウォッチャーコンビ)

お笑いウォッチャー。タカの好きな番組『有田ジェネレーション』(TBS系)、ユージの好きな番組『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)。

たかあんどゆーじ

最終更新:2023/02/22 11:47
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