『M-1グランプリ 2021』に感じた物足りなさの正体――賞レースの進化を支えるのは何か
#お笑い
2018年大会ほど「変革」を感じなかった
タカ 敗者復活はラストイヤーのハライチでした。岩井の敗退コメントがやたら爽やかで、なんだったんだ(笑)。
ユージ あれは笑いましたねぇ。敗者復活組発表時の鬼気迫る表情から一転して、憑き物がおちたような晴れやかさで。でも肝心の決勝は『M-1』でやりたかったネタというわりには弱くないか? とちょっと首をひねってしまいました。ハライチの漫才は好きなんですが。
タカ 『NETAMI』(日本テレビ/12月17日放送)でやっていた別の漫才が面白かったんですよ。あれを観たとき「ハライチってやっぱりすごいんだな」と思えました。いろんなスタイルがあってまだまだ伸びしろがあるな、と。
ユージ 「母親」の漫才ですね。「母親」も決勝ネタと同じように従来の「静の岩井・動の澤部」のイメージを覆す漫才ですが、ラジオ的なしゃべりの面白さがあって、僕もあっちのほうが好きです。岩井が『M-1』後のラジオで「ネタを作ってても、どこか頭の中でやっぱりM-1を意識してた」「ここからハライチの漫才が始まるような気がする。なんの縛りもなく、好きにいろんなネタを作れる」と言っていたので(『ハライチのターン!』12月23日放送)、今後もっといろんなスタイルで驚かせてほしい。
タカ 岩井が言うように、『M-1』は自分自身が持っている面白さを追求する場ではないんでしょうね。特に今年の『M-1』はそういう面をわからされた感じがしました。決勝のメンツにはライブシーンで実力をつけてきた組が揃っていて「どんなことになるんだろう!?」って期待を抱いたのに、蓋を開けてみたらオーソドックスな漫才の大会に終わった印象です。
ユージ 初出場が5組というのは第2期『M-1』においては2018年の6組に次ぐ多さです。でも2018年は「潮目が変わった」と感じたのに対して、今年はそういう印象は受けませんでした。モグライダーが売れるくらいしか変化をもたらなさそう。霜降り明星優勝以降、テレビ含めたお笑い界全体で若手や目新しい人たちが台頭してきた流れがピークを迎えて完結したのが今年なのかもしれません。
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