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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 伊藤智彦監督BEST映画『スタァライト』
伊藤智彦監督と振り返る21年のアニメ業界

『エヴァ』他抑え伊藤智彦監督の21年BEST1は『少女☆歌劇レヴュースタァライト』!

シンエヴァに伊藤監督の周囲の反応は…

ーーシンエヴァは絵コンテをきらず、モーションキャプチャーでプリヴィズを作るという独特の制作方法が取られていました。

伊藤:絵コンテをきらないという気持ちは非常にわかるし、やりたいと思うんですけれど、その制作方法がはたしてどれほど作品の上澄みになっているのかは正直わかりません。アニメーションという表現技法の中で、何かを180度覆するものではない気がします。とはいえ、より難易度の高いカットは出来上がってたので、高いハードルを設定するためには有用なのかもしれません。

 トライアルをすること、そこから出てくる何かはあると思いますが、大変なやり方をしているなという印象で、時間やお金が許されないとできないやり方ですね。そもそも「カラー」は外注を出していますけれど、やろうと思えばすべて内製ができる。その社員の給与は経営者である庵野監督自身が出している。自分で払っているから庵野監督は「みんな働いてね」と言えるし、働いている方も強くそう思えるわけです。経営者であり監督というのは海外ではいるかもしれませんが、国内では例を見ないですよね。

ーーシンエヴァについて、周りのアニメ関係者はどんな感想を持っていましたか。

伊藤:何人かすごく感動したという人はいましたけど、これで本当に終わったんだな、ということがまず第一という感じでした。見ている人も大人になったし、当時と同じ気持ちではやっぱり見ていない。

 作品の感想に戻りますが、こんなに過去のエヴァを懇切丁寧に踏襲しなくてもよいのに、とも思いました。巨大な綾波レイが出てきたり、シンジがぽつんと海の前で座るシーンであったり、原画を使うシーンがあったり。ファンに対してとてもサービスをしてくれたなとは思います。まさに「サービス・サービス」です。

ーー過去のオマージュが多かったので、私は最後に予告編まであるのかなと少しだけ期待しました(笑)。

伊藤:でも、いつか「カラー」として、庵野監督以外でエヴァを作るんじゃないでしょうか。Qの予告でやれなかった幻の話も存在するわけですから。「カラー」として何を作っていくかとなると、エヴァというIP、ブランドがあるので、ガンダム的に作り続けるやり方もできる。それを二度と作らないというのは商売的になさそうだなとは思います。

ーー庵野監督は2023年公開の映画『シン・仮面ライダー』がありますが、実写です。今後、アニメは作りますか。

伊藤:わからないですが、モチベーションが高まったらやるんじゃないでしょうか。アニメだったら「風の谷のナウシカ」の完全版でしょうか。スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーも「庵野だったら」と言っていたと思いますが、可能性はゼロではないと思います。

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