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日刊サイゾー トップ > エンタメ  > 『関ジャム』が選ぶ年間ベスト曲の歴史

『関ジャム』が選ぶ年間ベスト曲の歴史。ヒゲダン、西野カナ、菅田将暉が1位を獲った理由

ヒゲダン「Pretender」は王道J-POPが復活した象徴

 2019年に蔦谷が1位に挙げたのは、Official髭男dism「Pretender」であった。これは文句の付けようがない。蔦谷はこの曲を「J-POPの金字塔」と表現した。

「メロディーの階段、反復、跳躍というJ-POPのヒット要素がこれでもかと詰まっている」と同曲を評した蔦谷は、「Pretender」にどんなテクニックが隠されているかを番組内で解説。端的に言えば、メロディーと押韻についてである。そういえば、清水ミチコが昨年辺りからヒゲダンの作曲法を解説する新ネタをレパートリーに入れていたし、「Pretender」を初めて聴いたときの印象はどこか懐かしかった。昔ながらのヒット要素をふんだんに盛り込んだ1曲でもあるということだ。

 韻でいえば、「Pretender」の歌詞には以下のような押韻がある。

「君の運命のヒトは僕じゃない
 辛いけど否めない でも離れ難いのさ」

「僕じゃない」「否めない」「離れ難い」とaiで踏んでいるのがわかる。その観点で、ヒゲダンの楽曲「ノーダウト」の歌詞も見てみたい。

「まるで魔法のように 簡単に
 広まっていく噂話
 偏見を前に ピュアも正義もあったもんじゃない
 仕方ない どうしようもない
 そう言ってわがまま放題 大人たち
 どうぞご自由に 嫌ってくれて別にかまわない」

 AメロからBメロまで、すべてiで脚韻を踏んでいるのだ。さらに、サビの箇所も。

「Let me show 神様も ハマるほどの 大嘘を oh 誰も ハリボテと」

 やはり、ooとeoで脚韻を踏んでいる。こうすることで曲にグルーブが生まれるというわけだ。上記のテクニックを、彼らは無意識的でなく明らかに意識的に盛り込んでいるはず。それが爆発したのが、2019年の「Pretender」だった。王道のJ-POPが復活した象徴とも言える曲で、文句なしの傑作である。

 というわけで、2021年の年間ベスト10曲は2022年の一発目となる来年1月9日放送回で紹介されるようだ。はて、今年のヒット曲って何があったっけ? 思いつくような、つかないような……。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2021/12/26 21:00
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