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『最愛』圧巻の最終回に高評価!加瀬ロスも…事件の全貌と期待を裏切らない結末 

『最愛』圧巻の最終回に高評価!加瀬ロスも…事件の全貌と期待を裏切らない結末 の画像1
井浦新(写真/GettyImagesより)

 15年前に起った失踪殺人事件を筆頭に、それと関連した殺人事件、真相を追っていた記者の突然の転落死、漠然とした謎を残しながら12月17日にTBS金曜ドラマ『最愛』が最終回を迎えた。

 前週放送だった9話の平均世帯視聴率は、過去最高の9.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録したことからも、多くの視聴者が固唾を呑んで最後を見守ったことだろう。

 この日を前にして『最愛』にまつわるネットニュースも濫立し、考察合戦も一層熱を帯びていたが、この結末は予期したもの以上だったのではないだろうか。

 放送が半分を過ぎたころ、物語はクライマックスへ一気に加速する。

 表面上、一度は解決したそれぞれの事件を洗い出し、真犯人をしぼることができた宮崎大輝(松下洸平)が、加瀬(井浦新)へ3つの事件が起きた際のことを電話越しに聞きながら、加瀬に焦点を当てた回想が始まる。

 事件の元担当刑事で梨央(吉高由里子)の初恋相手である大輝が15年前の渡辺康介(朝井大智)殺害&死体遺棄事件に関わっているかのようなミスリードから一転、梨央の父・達夫(光石研)の犯行を手助けしたのは、加瀬だった。

 初めは子供たちの行く末を案じ、証拠を隠滅しようとする達夫に向かい、弁護士という立場から通報しようと促すも、達夫や血だらけで倒れている梨央、泣きじゃくる優(柊木陽太)を前に家族の“最愛”を感じ取り、加担してしまった。

 そして第2の事件、行方不明の息子・康介をずっと探し続けていた父・昭(酒向芳)を殺したのは、加瀬だった。

 15年越しに康介が山中で白骨遺体として発見されたことに絶望し、泣きわめきながら加瀬にあたる昭を加瀬は諭すも「たかが、ちょこっと、いたずらしただけやないか。悪いのは誘ってくる女の方や」と被害者の苦しみには盲目的でありながら、罪を犯した最愛の息子を正当化して守ろうと叫ぶ昭に対し、感情的になった加瀬は池に突き飛ばし沈めてしまった。

 最後に、記者の橘しおり(田中みな実)が転落死する直前に会っていたのも、加瀬だった。

 梨央が社長を務める会社の不正に関する記事を書いた橘に、梨央の夢である新薬開発まで表に出さないでほしいと直談判しに行った加瀬だが、ビルの外階段で話が白熱しだしたと思ったら、目の前で足を滑らせ橘は地面に叩きつけられたのだった。

 直接は手を下してないにしろ、試し刷りされた記事を回収してその場を去るしか、加瀬には術がなかった。

 大輝の電話越しには冷静に、真相は隠して既存の事実を述べるだけだったが「なんで一線を踏み越えた。踏み越えてまったら、戻ってこられんやろ」と叱咤する大輝の一方、加瀬は「戻るつもりは、ありません。法律では守れないものがあるからです。私が思う事は1つしかありません。2人には一点の曇りもない、人生を送ってほしい。それだけです」と深い愛をみせ、消えた。

 入れ替わるように大輝の電話に梨央から着信があり、それは長年の夢であった新薬が世界初の治療薬として承認されたことを知らせるものだった。何も知らない梨央の無邪気で幸せそうな声を聞き、その後、大輝はこの事件について口を閉すと決めた。

 そして終盤、突然消えた加瀬へ「どんな事実でも、私たちは受け入れる覚悟です。加瀬さんが無事でいてくれることの方が、私と優には大事です。どうか、元気でいてください」と涙声の梨央の語り掛けが流れた。

 それは『最愛』に出てきた登場人物の誰もが誰かを守るため、事実を受け入れ相手の幸せを願って行動してきた心境だろう。ドラマのキャッチコピー《真相は愛で消える。》《全ては、愛するがゆえに。》の通り、加瀬は真相を抱えて消え、また大輝も梨央には真相を話さないという消し方を選んだ。

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