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日刊サイゾー トップ > インタビュー  > 錦鯉・渡辺隆「M-1に向けてという感じじゃなかった」
M−1決勝直前!『くすぶり中年の逆襲』出版記念インタビュー

錦鯉・渡辺隆「M-1に向けてという感じじゃなかった」絶望と諦めの向こう側にある光

第7世代の活躍があったからでてこられた?

錦鯉・渡辺隆「M-1に向けてという感じじゃなかった」絶望と諦めの向こう側にある光の画像9
写真|石田寛

ーー本にあった渡辺さんがワンカップ飲みながら少年野球の練習を見ていたっていう、あの話が好きで。そんなことしてても焦りはなかったっていう。

渡辺 あの野球チームからプロ野球選手が出てないかなってたまに考えたりするんです。それをやってたの25歳くらいですからね、だいぶやばい。でも……今より20代の頃の方が不安でした。周りもどんどん売れていくし。ただおっさんになるとそれにも慣れていって、後輩は先に売れるもんだっていう気分になるんです。

ーー売れていく人への嫉妬は?

渡辺 若いころはありましたよ。同期の奴らが売れて行って、俺も売れたい、みたいなのは。もう雅紀さんとコンビ組んでる時は「後輩というのは先に売れるもんだ、そういうもんだ」っていう心境でした。

ーーそこを手放せなくて苦しんでいる中年は自分を含めてたくさんいる気がするんです。大人になるタイミングを見失い、まだ無限の可能性が自分にあるような感覚でいて、錦鯉さんの活躍を見て勘違いしてしまう。

渡辺 「中年の星」とか言われてますけど、全然そんなことはなくて。他の中年の方の方がオレらよりすごいことだらけですから。たまたまです。たまたまそういう側面が大きく出ただけで。なんていうんですかね、「諦める」っていうのは、一回台風を通過させてから掃除するみたいな感じですね。とにかくいかせちゃえいかせちゃえ、みたいな。その後瓦礫を掃除すればいい。

ーー本の中でも「俺らは潰れた店だ」と。周囲に繁盛してるお店が多いからそこがウケたと。

渡辺 だからずるいっちゃずるいのかもしれないですけどね。第7世代の活躍があったから僕ら出てこれたのかなっていうのも思いますし。ぼくらみたいな第7世代の親世代が子どもと同時期に出てきちゃったという。

ーーということは錦鯉さんと同じことをやっても、同じようにブレイクするとは限らない。

渡辺 まだ見つかってないだけで、世に出る手段はいっぱいあると思う。でも若いやつらは王道行った方が良いですよね。M-1やキングオブコント、R-1などのチャンピオンを目指す方が良いと思いますし、お笑い界にしても健全だと思います。若い奴らにしてはですけど

ーー芸歴を重ねていった後にそうじゃない戦い方も見えてくるってことですか?

渡辺 そうですね。その隙をついた、みたいな。

ーーM-1に対して、ちょっと観てる側もストイックになっちゃってるなというのは、感じます。競技性が高いのもそうなんですけど、ふとこれが演芸だということを忘れてしまう。

渡辺 甲子園みたいな雰囲気もありますよね。

ーーファンや視聴者もそのモードに入っている中で、雅紀さんのでっかい声の挨拶があって、なんか目が覚めたというか(笑)。

渡辺 一番のおじさんが一番人間の基本をやってましたからね。大きな声であいさつするという。ああ基本って面白いんだなって思いましたけど、未だになんでウケてるのかわからないんですよね。ただでっかい声で挨拶してるだけなのに。

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